家のプロが、自分で家をつくったらどうなる?【低コスト・低リスクへの挑戦】no.1

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家を建てる、家を買うということは、ほとんどの人にとって「初めてのこと」です。

“初めて”なのに、人生をかけた大きなお金が動く。

だからこそ、「売り手である相手は、その道のプロ。買い手である自分たちは、全くのド素人」という状況に、不安を感じたことはありませんか?

知らないがゆえに、「これが業界の普通なんだろうか?」「自分たちは騙されているんじゃないだろうか?」と疑心暗鬼になってしまうこともあります。

実際、そのような話を耳にすることも。

その道のプロが決して教えてくれない、家づくりの裏事情をご紹介しましょう。

 

■家のプロが考える、現在の「不動産業界事情」とは?

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私は、年間1,000件近い相談依頼を受ける建築・不動産コンサルタント会社で、不動産、建築、建物管理、保険分野の担当として、これまで数多くの物件に携ってきました。

主な業務内容は、近隣・価格調査を含めた「不動産調査」、「契約書類のチェック」、「新築・中古の建物検査」、「設計・監理」、「マンション管理費削減」、「マンション管理品質の適正化」、「建物の火災保険診断・契約」など。

業務に必要と考える、1級建築士、2級建築士、管理建築士、マンション維持修繕技術者、福祉住環境コーディネーター2級、応急危険度判定士、宅地建物取引士、不動産コンサルティングマスター、マンション管理士、監理業務主任者、2級FP、3級FP、損害保険募集人資格、損害保険商品専門(火災)……と、多種多様な資格を取得し、住まいの問題に対して横断的な判断ができるコンサルタントを目指してやってきました。

そんな私が、これまでの業務経験で感じたことは、現在の住まいは「価格が高く、リスクがあり、似たようなものばかり」であることです。

なぜか?

それは、流通している住まいが、“売り手主動で作られた商品”だからだと、私は思っています。

「安全な利益設定」、「売りやすい建物仕様」に、「汎用性が高い間取りとプラン」。

これに代わる、“買い手主動”の住まいはないのだろうか?

残念ながら、答えは「NO」。

ですから、「買い手主動の住まい」を自分で造ってみることにしました。

 

■「低リスク・低コスト」で、自分らしい住まいを作る

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このシリーズは、住まいの横断的な知識と経験、資格を持つ“住まいのコンサルタント”である筆者が、イチ購入者の立場で徹底的に“買い手主動”の住まいを造ったらどうなるか?をまとめたものです。

こだわったポイントは「低価格、低リスク、自分らしい住まい」の3点。

  • 実際に掛けたコスト
  • こだわりを叶えるために行った工夫やアイデア
  • 振り返っての反省とそれを解決する改善策

など、可能な限り具体的にご紹介していきます。

筆者の自宅ということで、時に思い切った手法も試しています。

中には、一般的じゃない方法や、業界で異論があるもの、またリスクを伴うものもあります。試される場合は、様々な考えや手法が他にもあることをきちんと調べてみてください。

 

■先に結果発表をすると……

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今回は連載の初回。ミステリー小説ではないので、先に結果発表をすると、住まいの形はこうなりました。

場所:東京都台東区浅草(浅草寺の近く)
交通:東京メトロ銀座線「浅草駅」徒歩9分
都営浅草線「浅草駅」徒歩12分
東武スカイツリーライン「浅草駅」徒歩8分
つくばエクスプレス「浅草駅」徒歩15分
所有形態:一戸建て、土地・建物共に所有権
土地:26.45平米
建物:昭和43年築、鉄骨3階建て、延床54.72平米
費用:購入費 約1,720万、工事費 約720万、合計 約2,440万

「低コスト」は、購入費を850万円値引き1,700万円に、仲介手数料は売主直交渉で0円に、消費税は土地購入費のみで0円に、工事費はDIYや施主支給で徹底的にコストカットを図り、各種設備工事や主要な家具の取得費込みで720万円に抑えました。

「低リスク」は、土地を想定販売価格まで値引きできたので、これを仮にリスク0とすると、工事費720万が今回の購入で生じたリスクです。

およそ4年間の賃料に相当する金額なので、「賃貸物件に4年住むことに掛かる費用で、リスクが償却できる」と考えました。

「自分らしい家」は、窓やキッチン、本棚などを自分でデザインし、オーダーしました。また、建材や水廻り品、インテリアは、自分で選んで購入しました。

 

住まいのコンサルタントとしてこれまで培った知識と経験を総動員させて造った自宅。

専門書で調べた知識が役に立たず失敗したり、いつもと逆の立場で施主としての不安や苦労を経験しました。

工夫と手間を掛けましたが、自分が思い描く住まいを造り上げた結果、「ユニークな住まいがある」と、テレビや雑誌にも取り上げていただいています。

これから少しずつ、そのテクニックをご紹介していきましょう。