1級建築士が教える「シックハウス症候群」にならないための家選びとは?

風にたなびくカーテン

UYORI / PIXTA

寝る時間も含め、毎日たくさんの時間を過ごす住宅。

でも、住まい方によっては、シックハウス症候群やアレルギーなど深刻な病気を引き起こしてしまいます。

今日は、健康に子育てをするうえで欠かせない住宅アイテムについてご紹介していきましょう!

 

■ほんとうに怖い……「シックハウス症候群」とは

新築やリフォームした住宅において、壁・床などの接着剤や、建材・塗料などから放出される化学物質が原因となり起こる健康障害を、総称して「シックハウス症候群」といいます。

ホルムアルデヒドや、揮発性物質(VOC)などの化学物質が、めまいや吐き気、頭痛や皮膚疾患・のどの痛みや鼻の障害などを引き起こします。

患者数

「国民生活センター」によると、原因物質を含んだ建材の普及と、住宅の気密性が高まった平成8年(1996年)ごろから症状を訴える人が急増。

その後、建築基準法の改正や建材の規制・品確法の制定などさまざまな法規制がされましたが、いまだ相談件数は横ばいで減っていません。

これは、法規制が新建材や新素材への対応に追いついていないことを表しています。

 

■原因は住宅の高気密化・高断熱化

「シックハウス症候群」というと、建材からの化学物質だけが原因と思いがちですが、そうではありません。

カーテンやじゅうたん、家具などから揮発する化学物質や、衣類や日常生活用品、ダニやカビなど、様々なものによる“室内空気汚染”が原因になっています。

また、住宅の高気密・高断熱化により、省エネで住みやすい住宅が実現する反面、自然換気不足による室内空気汚染や、高湿度でダニやカビの温床となる結露を起こしやすくなっています。

シックハウス被害情報 性別 年代

「国民生活センター」によると、シックハウス症候群の発症年齢は30代〜40代の、しかも女性に圧倒的に多いのです。

また、ダニやカビなどが原因となるアレルギー疾患はすべての年代で発症しますが、小児に多いとの報告があります。

 

■今すぐできる!!シックハウス対策と健康住宅のマストアイテム

「厚生労働科学研究所」によると、1980年代に欧米で問題になった「シックハウスビル(高気密・高断熱ビルにおけるシックハウス) 症候群」では、発生原因の53%が不適切な換気にありました。

現在の日本の住宅も、高気密・高断熱化が進み1980年代のシックビルと似た環境にあると言えます。

シックビル原因グラフ

グラフからわかるように、シックハウス症候群の予防や軽減には、部屋の換気が1番大切だということ。

リビングや寝室など、長時間滞在する部屋は、5分から10分の換気を1日2〜3回行うだけでもシックハウス対策に効果があります。

また、これから中古住宅を購入される方は、改正建築基準法により24時間換気が義務付けられた、平成15年7月確認済み以降の建物を購入しましょう。

スイッチを入れておけば、家中の空気が2時間で入れ替わります。

また、24時間換気は結露を防ぎ、カビやダニを防ぐこともできます。この24時間換気設備は、いまでは健康住宅には欠かせないマストアイテムとなっています。

 

20年前以上から問題にされているシックハウス症候群ですが、国の様々な法規制にもかかわらず、新建材や家具・日用品などによりいまだ解決していないのが現状です。

しかし、私たちの「こまめに換気をする」ことにより、シックハウスの大部分は解決してしまうのも事実です。

住宅を手に入れたら終わりではなく、その後も少しの手間をかけ、快適で健康な住環境を保っていくことが大切ですよ。

 

【参考】

※ シックハウスに関する相談件数 – 日本VOC測定協会(リンク切れ)

シックハウス年代性別患者数 – 国民生活センター(PDF)

シックビル症候群の原因調査 – 厚生労働科学研究所(PDF)