住宅購入は本当にリスクが高いのか?【低リスク・低コストへの挑戦】no.2

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家を建てる、家を買うということは、ほとんどの人にとって「初めてのこと」。

“初めて”なのに、人生をかけた大きなお金が動く。

だからこそ、「売り手である相手は、その道のプロ。買い手である自分たちは、全くのド素人」という状況に、不安を感じたことはありませんか?

では、家のプロが、“購入者“の立場で、徹底的に“買い手主動”の住まいを造ったらどうなるか?

“住まいのコンサルタント”である筆者が、これまで培った知識と経験を総動員させ、「低価格、低リスク、自分らしい住まい」に徹底的にこだわった、家の造り方をご紹介するシリーズです。

 

【前回】

家のプロが、自分で家をつくったらどうなる?低リスク・低コストへの挑戦

 

■「賃貸」と「購入」どっちがトク?

よく、「賃貸と購入どっちがトクか?」という論争を耳にします。

しかし、それは“売り手”主動で造られた、“高額な”住まいの場合。

「安全な利益設定」、「売りやすい建物仕様」に、「汎用性が高い間取りとプラン」。今、流通している住まいは、“売り手主動で作られた商品”が多いのです。

しかし、安くて購入リスクが下がった住まいなら、絶対「購入がトク」です。

 

■「賃貸」にかかる支出はいくら?

住宅購入のきっかけは、結婚を予定した同棲です。

……というと、住宅購入のタイミングとしては、少し気が早いように感じる方も多いかもしれませんね。

通常、カップルや新婚の夫婦は、住まいを「賃貸・短期」で考えます。

筆者達も、最初はそのように考えていました。そして、その家に住む期間は、長くて4年と考えました。

2人の要望は、

  • 都内
  • 通勤30分圏内
  • 2人暮らしが可能な1LDK・50平米以上

そんな住まいの家賃が、仮に13万円とすると、

初期費用=13万円×{2ヶ月(敷金)+2ヶ月(礼金)+1ヶ月(仲介手数料)}=65万円

家賃等=13万円×24ヶ月(2年分)+1ヶ月(更新手数料)+13万円×24ヶ月=637万円

その他=1.5万円×2回(火災保険)+5万円(引越し代)=8万円

合計=710万円

となり、4年間で掛かる住まいの支出は710万円にもなります。

4年間で710万円もの支出があるのに、それが少しも資産にならないのはもったいない……と思いませんか?

 

■「住宅購入のリスク」を因数分解してみよう

しかし、住宅購入にはリスクもつきまといます。

では具体的に、「購入による負担やリスク」とはなんでしょうか?

  1. ローン金利負担
  2. ローン破綻リスク
  3. 欠陥住宅リスク
  4. 流動リスク

1と2は、「購入費が高い」ことがその要因です。

安くできれば、ローンの金額と期間が圧縮され、圧縮されるほど、リスクが小さくなっていきます。

2における社会情勢の変化は、プロでも言っていることがマチマチ。筆者はさっぱり分かりません。神のみぞ知る、と予想を諦めました。

確実なことは「購入費を抑えること」なので、削減に徹底的にこだわりました。

 

3は「分からないこと」がその要因です。運任せにせず、きちんと目利きができれば、リスクを減らすことはできます。

建築士として、また数多くの物件をこれまで検査してきたインスペクターとして、筆者が思うことは、「問題がない住まい」を探すのではなく、「解決できない問題がない住まい」を探すことが重要です。

実際、筆者が買った家は、築45年でボロボロで、壁に穴が開いて外が見え、ちょっと傾いてて、カビ臭かったですが、どれも解決できる問題だったので、購入を決定しました。

 

4は、実物資産なので、買いたい人または借りたい人がいないと、お金に変えられません。住まいの立地、利便性や、住まいとして魅力があるか、ということです。

立地と利便性は、「都内で駅から徒歩10分以内」と決めて情報収集しました。

住まいの仕様や空間デザインも、ただ単に良くするだけでなく、4を意識しながら選択しました。

単純に、比較可能な物件がなければ、高くても買いたい人、借りたい人は必ずいる、ということです。

 

これらの「購入リスク」を、突き詰めて考え、徹底的に低リスクにこだわった結果、最終的に購入した物件の費用リスクは、720万分(詳しい内訳は前回をチェック)。

賃貸で4年住む場合の想定支出710万円と同等レベルまで、購入リスクを抑えることができました。

 

景気が良かった時代は、“住宅双六”なんていう言葉がありました。

これは、「フリダシは新婚時代の小さなアパート。子どもが生まれる頃に少し広めの賃貸マンションに移り、やがて分譲マンションを手に入れ、それを売り払って庭付き一戸建を手にいれて“アガリ“」というもの。

しかし、人口が減少に転じ、都内でも空き家が問題になる今の情勢では、コマを進めるだけではアガレない時代になっています。

 

自分にとって「住まいを購入するリスク」が何か洗い出すことが大切です。

リスクが分かれば、その解決策が見つけられます。

住宅購入は、「リスクの高い買い物」ではありません。

同棲をきっかけに始まった、住まい探し。

当初は「賃貸」だったはずが「購入」へと視点が変わり、「購入が持つリスク」をいかに削れるかという、試行錯誤の住まい探しの日々が始まりました。