弁護士が教えます!「こんな時は敷金返ってくるの?」【前編】

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賃貸物件を退去する際、多くの人が気になることといえば、「敷金はいくら返ってくるかな~?」ということでしょう。

実は僕も、今月中に賃貸マンションを退去する予定でして、敷金がいくら返ってくるかということについて、とても気にかけています。

そこで今回は、知っているようでよく分かっていない“敷金”について、2回に分けてご説明しましょう。

【前編】は敷金についての基本的な考え方を、【後編】は各トラブルに関して「敷金が戻ってくるかどうか」を検証してみたいと思います。

 

■そもそも、なんで「敷金」ってあるの?

そもそも、「敷金」とは、「賃借人(=借り主)の賃貸人(=貸し主)に対する債務を担保する目的で、賃借人が賃貸人に対しあらかじめ預けるお金」のことです。

物件の借り主が家賃を滞納したり、非常識な使い方をしたせいで物件を壊してしまった場合、当然大家さんは借り主側に、お金を請求しますよね。

しかし、なんらかの理由でお金を請求しても払ってもらえなかったら……。そんなリスクを回避するために、「敷金」として、あらかじめ相当の金額を預かっておくのです。

つまり逆を言えば、借り主が建物から退去する際に、家賃の滞納などが無く、貸し主に対して何も払う理由が無ければ、敷金は全額返ってくるはずです。

それなのに、敷金をめぐるトラブルが起きるのはなぜなのでしょう?

 

■よく聞く「原状回復」って何?

敷金をめぐるトラブルが絶えないのはなぜか?

それは、退去の際の“原状回復”という問題について、大家さん(もしくは大家さんの仕事を代行する管理会社)と借り主の間で揉めるからなんです。

大家さんや、不動産のプロである管理会社と交渉するためには、この“原状回復義務”について、正しい知識を備えておく必要があります。

「えっ? でも、そんなこと言われても専門家じゃないし無理……。」と思われるかもしれません。でも、そんなに難しいものではないので安心してくださいね。

“原状回復”とは、「賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること」と定義されています。

もっとも陥りやすい間違いは、原状回復の意味を「“入居した当初の状態”に戻すこと」と理解することです。悪質な業者の場合、事実上「入居したとき以上にきれいにして返してください!」くらいの勢いで原状回復を求めてくるところもあります。

しかし、「来た時よりも美しく!」のような“遠足精神”は、この場合は不要です。

「普通に物件を使っていれば、これくらいは汚れる(劣化する)よね(=「通常損耗」といいます)」という部分については、借り主の負担で元に戻す必要はないわけです。

 

では「普通に使っていれば」という、この“普通”とは、どこまでを指すのでしょうか?

「ペットがつけた傷は?」

「タバコのヤニや臭いは?」

「敷引なら何してもいいの?」

そんな、さまざまなトラブルは【後編】でご紹介しましょう。【後編】をお楽しみに!