一戸建てでもマンションでもない!「ビルを丸ごと」自宅にするという選択

 

“住まい”といえば、「一戸建て」or「マンション」。

どちらかの選択しかないと、思っていませんか?

いえいえ、「ビル」まるごとを“住まい”にする選択肢だってあるんです。

ビルまるごとを自宅にするってどんな感じなのでしょうか?

今回は、ビル1棟をまるごとリノベして住居空間にしてしまった大阪西区のH邸を訪れ、ビルリノベの魅力に迫りたいと思います。

 

■「ビル1棟」まるごとを自宅に!

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「庭が欲しいけれど、都心で一戸建ては難しいし、マンションだと自由に屋外を楽しみにくいから……。」

そう言ってHさん夫妻が見つけたのは、いわゆるオーナー会社ビル。

下層の事務所と、上層のオーナーの自宅が内階段で結ばれているため、フロア貸しが難しく、相場よりも割安な点も魅力だったそう。

「初めて見たとき、建物はかなり老朽化していましたが、狭い間口に対して奥に広いL型で、フロアを上がるごとに明るくなる雰囲気が印象的だったんです。

3つの外部空間も付属し、リノベーションしだいで面白くなる予感がしました」とリノベを決行することに。

さて、どのような空間になったのでしょうか!?

 

■1〜5階まるごと自宅! その中はどうなってる……?

ビルは1F〜4F+屋上階。1Fから見ていきましょう。

1Fへ入ってすぐが愛車の駐車スペース。

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その奥に続く土足スペースは、構造を現しにした内装がまるで倉庫のよう。

外光が入らないものの「洞窟のようで落ち着く(夫)」のだとか。

ソファを据えたほか、今後はピアノもこちらに設置予定だそう。ほどよい広さは音楽イベン卜などにも活用できそうです。

いわゆる玄関ホールはなく、階段下で靴を脱いで2Fへ上がりましょう。

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2Fは多目的に使うフリースペース。

今は友人を集めてヨガをしたり、壁をスクリーンにして映画を鑑賞したりしているそう。

今後はライフスタイルに応じてテナントを入れたり、夫妻の事務所にしたり、ということもできるようになっています。

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上下を貫く階段室の踊り場の床にガラスをはめ込むことで、屋上から光を落とし、各部屋へ光を行き渡らせています。

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3Fは夫婦の寝室や洗面室、子ども部屋などを配置。

医療機関・福祉施設用のシンプルな洗面台に、モザイクタイルや間接照明で工レガントな空間を演出しています。

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光の届きにくい洗面室の奥には、家族3人共用の大容量ウォークインクローゼッ卜を設置。

アパレルブランドを展開するデザイナーであるH夫婦は「洋服は売るほどありますから(夫)」と笑います。

2Fの同じ場所には倉庫が設けられており、光が届かない箇所を収納スペースとして有効活用していますよね。

4Fからはガラリと雰囲気が変わります。

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「キッチンから見たダイニングの感じがいちばんのお気に入りです」と夫。

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ガラスの壁を貫いて、モルタルのテーブルがルーフバルコニーへ突き出しています。

バルコニーでは焼き肉やお好み焼きを楽しむこともあるそう。

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キッチンカウンターもモルタルで造作。

「近くに私たちがよく行くお気に入りのカフェがあって、モルタルのカウンターが素敵だったので(妻)。」

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2つの外部空間をもつ最上階の5Fには、洗濯機置き場や、浴室を配置。

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明るい光に満たされ、扉を開けて風を通すと、まるで外にいるよう。湿気がこもる心配もなく、ちょっとしたビューバス気分も味わえるのだとか。

 

■「ビルに住む」ことのメリットとデメリットは?

ビルを居住空間にした場合、どんな住み心地なのでしょうか?

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真冬の冷え込みは想像以上だったようで、スノーブーツを履いて過ごすこともあるのだと、妻は微笑みます。

「それはそれで、このビルとの“共存”です。マンションのほうが快適でしょうけれど、体がどんどん退化しそう。

暑さ寒さを感じられるほうが楽しいし、階段の上り下りもいい運動です。

歳をとってつらくなったら、また考えればいいことですから。」

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延床面積80坪と、親子3人の暮らしにはかなり余裕があるHさん宅。

「今はすべてを住居として使っていますが、ゆくゆくは私たちのショップ兼事務所をこちらヘ移してきてもいいし、いずれ子どもが独立すれば、望ましい住まいの形も変わるはず。

だから、今の状態が完成形というわけではありません」と妻。

仕事や暮らしは常に変わり続けていくもの。

それに応じて、柔軟に使い方を変えていける“懐の深さ”も、中古ビルならではの良さかもしれませんね。

 

いかがでしたか?

もっと詳しくこの家をご覧になりたい方は、ぜひ「リライフプラス」をご覧くださいね。

 

設計/9(ナイン)
撮影/koji yamada