角田光代さんインタビュー「食事のときはランチョンマットを3枚用意します。夫と私、トトの分」【ペットと暮らす】

あなたは「ペットを飼いたい」と思ったことはありますか?

また、どうしてそのように思ったのでしょうか。

ペットを飼うと、生活は大きく変わります。

ペットを迎えるということは、新しい家族を迎えるのと同じ。

ペットと過ごすことで人生が変わった著名人に、どうしてペットを飼いたいと思ったのか、ペットを迎えたことで生活はどのように変わったのかをインタビューしました。

今回のゲストは作家の角田光代さん。

愛猫トトとの出会い、暮らしについて語ってもらいました。

 

■酔った勢いで!? 憧れの漫画家の7匹目の子ネコを譲り受ける

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最初から似た者同士なのか、一緒に暮らしているから似てきたのか、性格が自分とよく似ているというネコのトトとの暮らしは、思わぬきっかけでスタート。

仕事人間だった角田さん夫婦の生活は、トトを軸にして、自然と変わっていったといいます。

ネコもイヌも好きだけれど、動物を飼った経験はなかったという角田さん。

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ある日、憧れの漫画家、西原理恵子さんと仕事で会い、そのまま飲むことに。

ネコを雄雌2匹飼っている西原さんが、「うちのネコが子ども産んだら欲しい?」と突然聞いてきたそう。

唐突な質問に戸惑いながらも、気がつくと「欲しいです!」と答えていた角田さん。

「ほとんど酔った勢いでした(笑)。でも、子ネコを待っている人はほかにもいて、私は7番目ということだったから、まさか7匹目は生まれないだろうと思っていたんです。」

ところが、2010年1月、西原家で、7匹目のネコが生まれたのです。

 

■絶対に起こらないようなことを妄想し、心配で急いで帰宅したことも

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トト、メス、7歳。猫種はアメリカンショートヘア。お気に入りの場所は、ネコタワー最上段のハンモック

「果たしてうちに馴染んでくれるのか心配でしたが、やってきたトトは、何食わぬ顔でご飯を食べて、水を飲んで……。ずっと前からうちで暮らしているかのようでした」

動揺したのは、人間のほうかもしれません。

自宅近くの仕事場に通い、仕事後は遅くまで飲むことも多かった角田さんですが、「トトがいるから早く帰ろう」となり、そんな自分に驚いたりも。

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「トトが、小さな手でガス台の火をつけてしまうかもしれない」

「洗濯機の扉を開けて中に入り、何かの拍子にスイッチが入って、くるくる回っていたらどうしよう」

と、絶対に起こらないようなことを妄想していてもたってもいられなくなり、急いで帰宅したこともあるとか。

 

■市販のものより手づくり派です

トトは市販のものより、手づくりのオモチャが好きだそう。

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抜けたトトの毛を丸めた毛玉。「できたては自分のニオイがして安心するようです」

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ストローでつくったオモチャ。先につけた紙のカサカサッという音に反応して、夢中で追いかけます。

 

■食事のときはランチョンマットを3枚用意。夫と私、トトの分です

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「トトは私と性格が似ていて、臆病者。引き戸やドアを開けるネコもいると聞くけれど、トトは絶対にそういうことはしないんです。

できるだけものにぶつからないようによけて歩き、扉を開けたいときは、じっとその前に座って開けてもらうのを待っているんですよね。」

トトは、夫婦ふたりが揃って家にいるとき、1番リラックスしているように見えます。

「食事のときは、テーブルにランチョンマットを3枚敷いて、ふたりの向かい側の真ん中のマットに、トトがちょこんと座ります。

夫も私も本来は仕事人間。トトがいなかったら、ふたりとも日常生活をおろそかにしていただろうと思います。」

いつの間にか、トトを軸に今の暮らしが成り立っている。

「ふと、“あ、ネコがいる”と思う。その感覚は最初から変わりません。今日もがんばって生きよう、という気持ちになりますね」

 

【角田光代さん プロフィール】

作家。1967年神奈川県生まれ。’90年「幸福な遊戯」で海燕新人文学賞を受賞しデビュー。

2005年『対岸の彼女』(文春文庫)で直木賞を受賞。近著に『坂の途中の家』(朝日新聞出版刊)。

夫、愛猫のトトと都内のマンションに暮らす

 

撮影/山田耕司