こんなマンションは買っちゃダメ!「将来スラム化する」物件の見分け方(財政編その2)

chombosan / PIXTA(ピクスタ)

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分譲マンションは、通常、長期修繕計画が立てられています。

長期修繕計画とは、いつ頃、どの部分を、どのように直せば、建物を適切に維持することが出来るか。

その為に、幾らくらい修繕積立金を貯めなければならないのか、を想定した計画です。

まずは、この長期修繕計画が、きとんと立てられているかチェックしましょう。

もし、長期修繕計画が立てられていない場合、そのマンションは資金計画がされていないので、破綻リスクが高いと考えられます。

次に、長期修繕計画のチェックポイントですが、内容を読み取り、適正な計画か診断することが出来るのは、住まいのプロでも、ほんのひと握りです。

簡単にできる、ここだけは押さえたいポイントを、今回ご紹介します。

・赤字となっていないか
・修繕積立金の値上げ、一時金徴収が予定されているか
・計画通り実行されているか
・定期的に見直されているか
・計画の精度

■すべてを読み解かなくてもOK。赤字になっていないかをしっかりチェックして

ABC / PIXTA(ピクスタ)

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細かい数字が並んでいる長期修繕計画書ですが、すべてを読み解く必要はありません。

ボイントをおさえて、重要となる数字を確認していけば、買っていいマンションかどうかの判断材料となります。

まずは、ここをチェックしましょう。

長期修繕計画書は、通常、1年の収支を1列とし、25年分の計画が立てられています。

そして、一番下の行に「次年度繰越金」が記載されています。

この「次年度繰越金」がマイナスだと、修繕積立金が不足しているということです。

計画期間25年にわたり、修繕積立金が不足する計画になっていないか、チェックしましょう。

ちなみに、なぜ計画期間25なのか。

それは、マンションは12年に1回程度、大規模修繕工事を実施しますが、それを最低2回含む計画となるように意図されているからです。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

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・修繕積立金の値上げ、一時金徴収が予定されているか?

長期修繕計画書に「収入」の項目があります。

ここをチェックすると、修繕積立金の値上げが予定されているか、一時金徴収があるか、確認することができます。

中には、修繕積立金が数倍にも上がったり、一時金を戸当たり100万円以上徴収、なんていう計画で、長期修繕計画の収支を“合わせている”場合もあるので、注意が必要です。

 

・計画通り実行されているか?

長期修繕計画がばっちりでも、計画通り工事が行われていなかったり、修繕積立金が積み立てられていなければ意味がありません。

チェックの方法は、長期修繕計画書と直近決算書を照らし合わせ、数字が一致しているか、確認しましょう。

 

・定期的に見直されているか?

長期修繕計画がしっかり作られても、物価変動、実行状況等に応じて、見直しが必要となります。

そのため、5年に1回程度、長期修繕計画書の見直し、修正を行うことが推奨されています。

それを超えて古い長期修繕計画書は、信頼性に欠けます。

 

■長期修繕計画書、予定通りきちんと実施されている? 計画の精度もチェックを

cassis / PIXTA(ピクスタ)

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最後に計画の精度ですが、国土交通省のガイドラインでは、長期修繕計画書の構成を全5様式に分け、計画の根拠が後から読み取れるように、情報量が多い資料を求めています。

このガイドラインに沿って作られた長期修繕計画書を「詳細版」とすると、内訳書等の根拠資料を含まない「簡易版」があります。

おそらく大半のマンションは、この「簡易版」が採用されています。

長期修繕計画書作成ソフト等で、概算で試算された計画なので、作成に掛かる費用が低額な反面、精度が高くありません。

どの程度信頼ができる長期修繕計画なのかも、合わせて把握しておきましょう。

以上、「長期修繕計画チェック」のポイントについて、説明しました。

その他、財政編に関することで1点、「未収納金」のチェックは重要です。

■管理費や修繕積立金の未収納金はないか? 必ず確認を

pixta_18670328_m管理費や修繕積立金に、未収納金がどのくらいあるか確認しましょう。

未収納金の件数や額が多いマンションは注意が必要です。

財政面で計画通りに収入が確保できていない、というだけでなく、管理及び自治に何かしら問題がある可能性があります。

いかがでしたか?

2回に分けて、「こんなマンションは買っちゃダメ!「将来スラム化する」物件の見分け方(財政編)」をお伝えしました。

マンションの築年数や間取りも大切ですが、まずは財政面のチェックをしっかりとすることをオススメします。