雨漏りしやすいのはどんな家?一級建築士が教える「住宅トラブルの多い家」とは!?

 

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みなさんのお宅には軒や庇はありますか?

軒や庇の役割は、建物の外壁や窓などの開口部を強い日差しや激しい風雨から保護することです。

しかし、最近では軒や庇のない住宅がデザイン的にシンプルであることから、特に建築家と建てる家や注文住宅で採用されることが多くなっています。

軒や庇がなくても、大丈夫なものなのでしょうか?

今回は雨漏りや、その他の様々なトラブルを招く住宅についてのお話です。

 

■「軒なし住宅」は雨漏りしやすい!?

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軒や庇のない住宅は、窓ガラスや外壁に直接雨が当たるため、窓周りや配管などの開口部から雨漏りしやすくなります。

国土交通省によると、平成21年10月から平成26年12月末までにおきた住宅保険(瑕疵担保責任保険)の保険事故3261件で、その8割が雨漏りなどによる防水事故が占めていると発表しています。

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また、住宅瑕疵保険会社が雨漏り事故案件を分析した結果、雨漏り事故のうち、7割が軒や庇のない住宅での雨漏りであったという調査結果も出ています。

 

■「夏場の直射日光」の影響を受けやすい

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軒や庇のない住宅は、窓ガラスや外壁に直射日光が当たることになり、特に夏場は室温が上昇しやすくなり暑くなります。

一方、冬場は太陽の日射角度が低いため、軒があっても日射しを遮ることがなく、窓からの日射しのおかげで室温が下がりすぎることはありません。

軒や庇のない住宅は直射日光や風雨の影響を直接受けることになり、その結果、外壁の劣化を早めることになり、補修費用がかさみます。

 

■雨漏りは簡単には止まらない厄介な問題

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これまでに多くの住宅を検査してきましたが、軒や庇のない住宅については、特に窓周りの雨漏りが深刻な問題となっていることを実感しています。

早ければ新築して数年で雨漏りを起こした物件もあります。

また、雨漏りは一度発生すると、被害が建物の外壁から室内までの広範囲に至り、補修費用も高額になることが多いのです。

万が一雨漏りが発生しても、新築して10年は瑕疵保険で補修費用は支払われます。

しかし、雨漏りは一度補修したとしても軒や庇がなければ、数年後また雨漏りしてくることが予想されます。

新築から10年以上たっていれば瑕疵保険はおりないので、そのときは自身で補修費用を賄わなければなりません。

雨漏りは、それだけ厄介な問題なのです。

イグのマスタ / PIXTA

いかがでしたか?

デザイン的に人気であったり、また都心の狭小な敷地内に建築するために増えてきた軒なし住宅。

しかし、軒なし住宅は軒のある住宅に比べて、外壁などの維持管理や補修などに費用がかかり、また雨漏りリスクが上がります。

住宅を新築・購入するときは、これらのリスクを知ったうえで計画してくださいね。

(しかまのりこ)

 

【参考】

※ 住宅瑕疵担保保険の保険事故の発生状況(国土交通省)