中古住宅は不安・汚いというイメージが変わる!? 国が認める「安心R住宅」とは

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あなたは中古住宅と聞いて、どんなイメージを持ちますか?

地震の時、壊れないかしら?という「不安」や、設備や内装が古くて「汚い」、今までどのように管理・修繕されてきたのか「分からない」といったネガティブなイメージを持つ方も多いかもしれません。

でも、この「不安」「汚い」「分からない」の部分が解消されたら、手頃な価格で購入できる中古住宅を検討したくなるかもしれませんよね。

今回ご紹介するは、これから中古住宅を購入したいと思っている人には良いニュースです。

 

■中古住宅の流通が、日本でなかなか進まない理由

以前も、「どうして日本は「新築」天国なの?プロが教える、中古住宅3つの見極めポイント」という記事でご紹介しましたが、日本の中古住宅の取引割合は15%程度。

中古住宅の売買が活発な欧米は、アメリカ(83%)、イギリス(87%)、フランス(68%)であることを考えると、とても低い水準と言えます。

戦後、焼け野原となった日本では、住宅不足から「質より量」が求められ、「住宅は建て替えるもの」という意識から、新築重視の木造文化が根付きました。

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さらに、中古住宅に対する負のイメージ「不安」「汚い」「分からない」が強く、「家を買うなら新築」という意識がなかなか消えません。

しかし、日本は今後、急速な少子高齢化・人口減少という構造的な転換点を迎えており、新築を増やすのではなく、今ある中古住宅を有効に活用することが環境にもやさしく、重要になってきています。

中古住宅の流通を増やすことが、今後の日本の課題となっているのです。

 

■高品質の中古住宅を対象にした認定制度「安心R住宅」

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この中古住宅に対する「不安」「汚い」「分からない」イメージを払拭すべく、国土交通省は、新たな認定制度を新設する方針を明らかにしました。

それが「安心R住宅」です。

建築士による建物検査(インスペクション)の実施や、建物情報の開示、基準に適合したリフォームの実施などをおこなった中古住宅に「安心R住宅」という認定マークを与えます。

国が認定マークという一定のお墨付きを与えることで、買い手が安心して中古住宅を購入できるようにしようという狙いがあります。

「安心R住宅」の認定マークが与えられるのは、下記の要件をクリアした中古住宅です。

また、中古住宅の情報に関しては「開示が必要な項目」として、下記のような詳細情報の開示を行うこととされています。

 

■画期的な制度だが、手間やコストなどの課題も

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1戸1戸コンディションが違う中古住宅において、インスペクションの実施や情報開示は、買い手にはありがたいお話ですが、

不動産業者にとっては手間やコストがかかるため、小規模な業者は対応不可能になる場合も出てくると思われます。

また「開示が必要な項目」とされている中古住宅の情報に関しては、すべてが「不明」であっても「安心R住宅」の認定マークを取ることは可能です。

こうした運用面での課題も残っていますが、少なくとも私たち消費者は「安心R住宅」以上の中古住宅を選ぶという基準も持てることから、今までにない画期的な制度となることが期待されています。

 

いかがでしたか?

この夏をめどに告示化し、運用を開始する予定の「安心R住宅」。

本格的な実現にはまだ課題はありますが、インスペクションの実施や、建物の情報開示など、消費者が安心して中古住宅を購入できるはじめの一歩となるのは間違いないようです。

 

(しかまのりこ)

 

【参考】

国土交通省『新しいイメージの既存住宅』の情報提供制度について