マンションは「現代の長屋」。マンションの管理会社って何をしてくれるの?

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「マンションに住む」とはどういうことなのか、について考えていくこのシリーズ。

前回は、管理組合についてのお話をしました。

管理組合はマンションの区分所有全員が必ず入るものであること、共用部の維持・管理のために様々な業務をする必要があること、そして何より「マンション管理の主体は管理組合である」ことを確認しましたね。

今回のテーマは管理会社。

管理組合と住民はどういう関係なのか、どんな業務をしているのか、わかりやすく解説します。

 

※ 「マンションは現代の長屋」過去の記事を読む

 

■マンション管理会社は、全国に2,185社。大きく分けて4つのタイプがある

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マンション管理の主体は管理組合。

では、その業務を管理組合から受託する「管理会社」とは、どんなものなのでしょうか。

現在、登録されているマンション管理業者の登録数は、2,185社に上ります(平成27年度末現在)。

 

デベロッパー系

マンションを分譲している不動産会社(デベロッパー)の系列会社で、デベロッパーが販売したマンションの管理を優先的に任されるため、安定した受注があるのが特徴。

 

ゼネコン系

マンション工事を手掛ける建設会社(ゼネコン)の系列会社。

デベロッパー系と同じく、建設会社が施工したマンションの管理を受託することが多い。

デベロッパー系はそのマンションの売主、ゼネコン系は施工主が親会社であるために、建物の設計や建設に関する情報が入手しやすいという特徴も。

 

ビルメンテナンス系

オフィスビルなどのメンテナンス業から派生した管理会社。

建物や設備・清掃業務などの経験が豊富でハード面に強い半面、管理組合の運営サポートなどソフト面には弱いともいわれています。

 

独立系

特定のコネクションや系列を持たない管理会社。

新規受注時はデベロッパー系やゼネコン系に比べて圧倒的に不利なため、価格の安さやサービスで勝負するところも少なくありません。

 

■管理会社の業務内容を把握しよう

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次に、管理会社が行う業務について見ていきましょう。

まずは、ご自身のマンションの「管理委託契約書」をチェックしてみてください。

管理委託契約書とは、管理組合が管理会社に対してマンションの管理を委託する際に必ず交わす契約書のことです。

この契約書をもとに、管理会社は管理組合から委託された業務を遂行することになります。

管理会社が行う業務とは、本来なら管理組合が行うべき業務です。

業務内容が広い範囲に及ぶ上に専門性の高い業務もあり、組合員が本業を持ちながらこれらの仕事をすべてこなすのは大変なので、管理会社に業務の委託をしているわけです。

ちなみに、すべての業務を委託している場合は全部委託

やれる範囲は自分たちでやりあとは管理会社にまかせているのが一部委託

まったく管理会社の手を借りずに管理組合だけで管理業務を行うことを自主管理といいます。

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管理会社が行う業務は、大きく「事務管理業務」「管理員業務」「建物・設備管理業務」「清掃業務」の4つに分けられます。

多岐にわたる業務を担当する管理会社には、専門知識を持ったスタッフを置くことが義務づけられています。

業務を受託する管理組合の数30につき1人以上おかなければならない「管理業務主任者」のほか、マンション管理士や建築士、消防設備点検資格など設備系の資格を持った従業員がどれくらいいるかなどは、信頼できる管理会社であるかのひとつの目安になります。

 

■どうしても「管理会社におまかせ」になってしまう理由とは?

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ところで、新築マンションを購入した場合、すでに管理会社が決まっていることがほとんどです。

おそらく多くのマンションが、デベロッパー系もしくはゼネコン系の管理会社でしょう。

マンションのルールブックともいえる「管理規約」や大規模修繕の計画書などは、あらかじめ管理会社によって決められていることがほとんどです。

そのうえ、初めて管理組合の理事になった人たちはマンション管理のことについて何も知らない人が大多数でしょうから、自然と管理会社に様々なことを頼るようになります。

「管理組合が管理の主体で管理会社は業務委託先である」という認識を持ちにくく、良くも悪くも管理会社にお任せになってしまう構図があるのが現状なのです。

最もひどい事例では、管理会社の担当者が管理費を使い込んでしまう、という事件もありました。

前回も述べたように、マンション管理の主体はあくまでも管理組合。

管理会社は頼れるパートナーと考えて、委託した業務をきちんと遂行しているかのチェックをするなど、すべておまかせにしない意識を持つことが重要ですね。

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いかがでしたか?

管理会社にはどんな種類があって、どんな業務をしているのか、お分かりいただけたでしょうか。

また、分譲の時からすでに管理会社が決まっているだけでなく、管理規約や大規模修繕の計画まで管理会社主導で決められていることで、管理組合が主体性を持ちにくい現状があることもご理解いただけたと思います。

次回は、具体的なエピソード交えなから、管理会社との上手な付き合い方について考えてみます。

 

【参考】

公益財団法人マンション管理センター

マンションライフ総合支援サイト マンションのWa

国土交通省 区分所有法、マンションに関する統計・データ集

建物の区分所有等に関する法律