「自走式」?「機械式」?マンション購入の際は駐車場のタイプも必ず確認を!

 

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車をお持ちの方にとって駐車場は絶対に必要な物で、筆者が新築マンションの営業をしていた15年前頃は、世帯数分の区画を確保しておくというのが当たり前の時代でした。

しかし、世の中で車離れが進行するなかで、最近は状況が異なってきました。

駐車場使用料はマンション管理組合にとっては管理費に次ぐ収入の柱であり、

一方で機械式駐車場の保守点検費はエレベーター保守点検費に次いで支出額の大きな項目となります。

それだけに駐車場は地味な存在ながらも管理組合の動向を左右する重要な項目なのです。

今回は分譲マンションにおける駐車場について書いてみたいと思います。

 

■「平置き式駐車場」は手がかからないのが最大のメリット

「平置き式」とは、自走式で機械を使わない駐車場です。

敷地の余剰スペースにラインを引くだけのものから2階建て、3階建てといった大型商業施設の駐車場のような大規模なものもあります。

高額物件の中には居住者のプライバシーを守るために駐車場を地下に設けるケースもあります。

機械を使っていないので基本的にメンテナンスは不要で、管理組合にとっては手がかからない駐車場です。

機械式駐車場は保守点検が必須。

機械式駐車場は狭いスペースに多くの車をとめるため機械を使用するものです。

単純に上下に移動するだけのピット式、横にも動くパズル式、その他にタワー式といったタイプがあります。

日常的に使用する機械ですから定期的な保守点検が必要で、また故障に対する備えもしなければなりません。

 

■「自走式」にも「機械式」にもメリットはあるが、「機械式」はそれだけで金食い虫!?

使いやすいのは、出し入れに際して機械操作の不要な平置き式です。

3階建ての1階や2階といった区画の場合は、それに加えて屋根付きということになります。

ちなみに下の写真は筆者が利用している駐車場です。雨や雪の時は3階の屋根がもう少しだけ大きければと切実に思います……。

「機械式」は出し入れが面倒なのですが、車がイタズラされにくいというメリットがあります。

そのため、高価な車に乗っている方はわざと機械式を希望する場合があります。

機械式駐車場はかなり使用頻度の激しいものですから、定期的な保守点検を実施していてもトラブルが起こるものです。

その場合、年中無休24時間対応の点検業者が駆けつけてくれますが、それでも復旧までは車の出し入れができません。

またあまり知られていませんが、機械式駐車場には寿命というものがあり、

たとえ定期的な保守点検を実施していたとしても約20年で一旦解体してすべて交換することが必要とされています。

その際に必要な金額を調べてみてゾッとしたことがあります。

機械式駐車場はそれだけ金食い虫なのです。

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最近の社会情勢として公共交通機関が著しく充実した結果、特に都心部で車離れが目立つようになったと言いますが、

実はこれが、マンションにとっては大変深刻な問題なのです。

分譲マンションにおいて駐車場使用者から徴収する使用料は管理組合の一般会計の財源の一つとなりますが、

空き区画が増加すればその分収入が減少します。

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私が以前勤めていた管理会社において、担当していた首都圏の12物件の内で杉並区と墨田区で約半分が空き区画となった事例がありました。

使用料収入は半減しても、保守点検費用は変わりません。

当然のことながら組合の収支は大幅赤字となって過去の剰余金を取り崩すことが続き、収支改善策に大変に苦労したことを思い出します。

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かつて私がマンション管理会社のフロントをしていた頃も、駐車場の問題は常に頭痛のタネになっていました。

正月休みに実家で家族と過ごしている時、とある管理組合の理事の方から「駐車場が動かない」という電話が入ってドタバタしたこともあります。

大規模な機械式駐車場は、将来的に管理組合の足を引っ張る存在となりかねませんので、

マンションの購入を検討される場合、そこにどのような駐車場が設置されているかという点にも注意するようにしてください。

※写真はイメージで、記事の内容とは関係ありません