イメージだけで選ぶと大失敗?オイル塗装とウレタン塗装の違い【後編】

 

家具やフローリングの仕上げについて、なんとなく「オイル塗装=良い塗装」「ウレタン塗装=粗悪な塗装」というイメージをお持ちの方も多いかもしれません。

【前編】では、オイル塗装について触れましたが、今回は「ウレタン塗装」について詳しくお話ししたいと思います。

 

傷や汚れに強く、メンテナンスが不要。

ウレタン塗装は、なんと言っても塗膜が強靱です。

オイル塗装でも多少の汚れや傷防止にはなりますが、ウレタン塗装には敵いません。

加えて、基本的にメンテナンスも不要。

塗膜が木の収縮を防ぐので、オイル塗装に比べるとヒビ割れや反りが起こりにくいのもポイントです。

しかも、薄く仕上げられた高品質なウレタン塗装は木目の手触りも楽しめます。

中には、見た目と手触りだけではオイル塗装と区別するのが難しいものもあるくらい。

このような薄いウレタン塗装を施すためには、オイル塗装でも通用するレベルの良質な材料を使わなければなりません。

必然的に、製品としての質も良いものが多くなります。

 

■シックハウスの原因になったのは過去の話。

20年前とは違って、現在使われているウレタン塗装の原料は「エフフォースター」の基準をクリアしているものがほとんどです。

個別の商品については販売されているお店等で実際に確認する必要はありますが、ホルムアルデヒドをはじめとする有害物質についての心配は格段に減りました。

terumin K / PIXTA

こうして見ると、案外悪くなさそうなウレタン塗装。

なぜ、オイル塗装に比べて品質が劣ると思われがちなのでしょうか?

 

■ウレタン塗装のクオリティは、玉石混交

ウレタン塗装の作業工程はオイル塗装よりも複雑で、専用の設備が必要になります。

初心者でも刷毛一本で仕上げることができるオイル塗装に比べると、手間暇がかかる塗装方法と言えます。

実は、この「手間暇がかかる」という部分がやっかいなところ。

timofeev / PIXTA

塗装する職人さんや設備の状態によって、品質が驚くほど変わってしまうんです。

塗膜の薄さやムラのない滑らかさ、剥がれにくさなど、一口にウレタン塗装と言ってもその仕上がりには大きな差があります。

つまり「ウレタン塗装だから、良いか悪いか」で一律に判断できるものではないんです。

しかし、残念ながら下の写真のように質の悪いウレタン塗装が市場に出回っているのも事実。

 

これらの製品が、ウレタン塗装全体の評判を落としてしまっているのかもしれません。

品質にあまり差がないオイル塗装に比べると、ウレタン塗装は選ぶのが難しい塗装であることは間違いありません。

では、これらを考慮した上で、どちらの塗装を選べば良いのでしょうか。

 

■「どんなシーンで、誰がどのように使うか」という柔軟な発想で選ぶのがオススメ

オイル塗装は自然な質感に仕上がる分、経年変化も激しくなります。

ヒビ割れや反りが起きやすく、数年経つと色も大きく変化します。

うっかり物を置いたままにしておくと、そこだけくっきりと跡がついてしまうことも……。

これらの変化を「いい味が出てきたな」と感じる人もいれば、「なんだか劣化してきたな」と感じる人もいます。

また、どのような用途で使うかも大切です。

xiangtao / PIXTA

レストランやカフェなど、人の出入りが激しい場所ではオイル塗装の家具はすぐに消耗します。

普段の業務に加えて塗装のメンテナンスまで行うのは、非現実的な選択肢と言えます。

「品質が良さそう!」というイメージだけでオイル塗装を選ぶと、何年か後に「こんなはずじゃなかった……」と後悔することにもなりかねません。

逆に、ウレタン塗装の家具を「いつまでも変化がなくてつまらない」と感じる人もいれば「ずっと綺麗で楽だなぁ」と感じる人もいます。

日曜大工が趣味の旦那様や奥様がいるご家庭では、ウレタン塗装は物足りないかもしれませんね。

tantan / PIXTA

避けるべきなのはウレタン塗装全般ではなく、「塗膜が異様に分厚い」「表面が滑らかでない」などの、明らかに質の悪いウレタン塗装製品です。

これは、家具屋さんやハウスメーカーさんを見学していればすぐに見分けられるようになってきます。

また、見分けはつかなくても店員さんや営業担当さんに聞いて見るのもいいでしょう。

「オイル塗装が一番です!」とゴリ押ししてくるお店があったら要注意。

高品質なウレタン塗装の商品を取り扱っていれば、きちんと違いを説明してくれるはずです。

家具や内装材を選ぶ時には「オイル塗装=良い塗装」「ウレタン塗装=粗悪な塗装」という画一的な見方ではなく、

「どんなシーンで、誰がどのように使うか」という柔軟な発送で楽しみながら選んでいきましょう。

 

【参考】

※ 東京都健康安全研究センター『新築住宅におけるホルムアルデヒド及び揮発性有機化合物濃度の年次推移』