Uターン希望者の強い味方…のはずの「空き家バンク」。思いがけない落とし穴とは!?

 

故郷の岩手を離れて、かれこれ30年あまり。

長らく東京や海外でデザイン関係の仕事をしてきましたが、老後の生活を見据えて地元へ帰ってきました。いわゆるUターン?

長いこと賃貸アパート住まいだった筆者が、思いがけず手に入れた格安中古住宅と、そのDIYリフォーム、そして田舎暮らしにまつわるお話をお届けします。

 

■憧れの持ち家は、案外簡単に手に入る(中古、そして地方なら)

ABC / PIXTA

なんだかんだいっても、一軒家を建てて暮らすことは今でも多くの人の憧れだと思います。

特に、家賃の高い都会ではなおさらです。

若くてばりばり働いているうちはいいんですけど、高齢になると、保証人や賃料の担保問題でアパートを借りるのも一苦労するようですしね(by 祖母)。

しかし、土地を買って家を建てるにはお金が足りません。

なんとか頑張って長期ローンを組んでも、毎月の支払いが家計に重くのしかかる……。

でも、中古住宅という選択肢があります。

中古住宅は、すでにそこに建っている! しかも中古だから、新しく家を建てるより安いはず。

さあ、興味が湧いてきましたか?

以下、その探し方と買い方についてご紹介してみたいと思います。

 

■渋柿が原因で親子断絶!?

風見鶏 / PIXTA

筆者が都会を離れ田舎に引っ越してきた理由のひとつには、父方の実家の古民家が空いていたから、というのもありました。

身内が所有する空き家なので無料で住める。

家賃がかからないから極端な話、東京に住んでいた時のアパート代6万円分くらいが減収になっても、なんとかやっていけるだろうという(いま思えば甘い)という目論見があったからなのでした。

ところが、田舎の農家の家は土壁でボロく、冬が寒い!

加えて、広大な庭や田畑があるものだから、夏の草刈りも超大変だったのです。

しかも都市部のマンションに住んでいる父が頻繁に来るもんだから鬱陶しくてたまりません。

朝早く、筆者が寝ていても平気で部屋に入ってきたりします。

ある日、庭になっていた渋柿を取って知人にあげたら、激怒されてしまいました。

「オレは実がなるまで、8年待ってたんだ!」と怒る、怒る。

渋柿ですよ? しかも、けっこう腐ってましたよ? まずくてカラスも食べませんよ?

「桃クリ3年、柿8年」……何年もの間、収穫を楽しみにしてきたという気持ちはわかるのですが、

父のあまりにも幼稚な怒り方にもう頭にきて、家出することにしました。

 

■やっとたどり着いた空き家バンク。しかしその実態は…?

NOBU / PIXTA

引っ越すとなると家賃やらなにやら経費がかかるけど、この際しょうがないからアパートを借りようとネットサーフィンしていて目についた、とある記事を見て思いつきました。

田舎には、高齢で住み手のいなくなった空き家がたくさんある。しかも格安で売られている、と。

そこでググってみました(ググるとは、Googleで検索することですが、まあ、ご存知の方は多いことでしょう)。

キーワード「空き家」で検索すると、全国的に空き家バンクなるものが多数存在することがわかりました。

さすがは高齢化社会。人口減少による余波は、家の相続にも影響しているようです。

そこで筆者が調べたのが、住んでいる地元の「奥州市空き家バンク」です。

ララ / PIXTA(ピクスタ)

これは、岩手県奥州市にある奥州市役所・総務企画部・元気戦略室という部署が運営している、空き家情報を多数掲載しているサイトです。

ちょっと見るだけで、あるわあるわ、新着物件。

「326坪・平屋建て・1,250万円」……うん、そこそこ高いな。
「152坪・2階建て・500万円」……なんか、買えそう。
「249坪・平屋建て・120万円」……えっ!? 安っ!

120万円……衝撃の価格です。100万円(!)なんていう驚愕価格の物件もあります。

UI_forever / PIXTA

それぞれの物件には、詳細な間取りや、屋外・室内の写真がたくさん掲載されています。

その中には、こんな紹介文も。

周辺環境:国道397号沿いの桜並木は西に7kmに渡って続く「桜の回廊」として市内外に知られています。

夜は一部をライトアップし、多くの観光客でにぎわいます。

素敵ですね。小鼻がふくらみます。

夢や期待やらがとてつもなく膨らみ、職場に近く、掲載されている写真を見る限り小ぎれいで値段も手頃な物件を決め、早々に申し込んでみました。

BOSE / PIXTA

こちらの空き家バンクでは、希望物件購入の申し込みをするには「申請書」をダウンロードして記入し、市役所の担当部署に郵送するという仕組みです。

申請書を郵送して、待つこと3日。

市役所の担当さんから電話がかかってきました。

「ああ、○○さん(筆者名)ですか? 申請書を見たのですが、いま奥州市に住んでるんですよね」

「現在、奥州市に住んでいる人は、奥州市の空き家バンクを利用できないんですよね……」

……いきなり出鼻をくじかれました(続きます)。

【参考】

※ 奥州市移住・交流情報館

※ 岩手銀行の住宅ローン