エレベーターは止まり、はしご車は18階までしか届かない!「タワマン火災」が起こる前に考えたいこと

 

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先日、イギリス・ロンドンで起こった高層マンションの火災には、誰もが衝撃を受けたことと思います。

火災が起こったロンドンのマンションは27階建て。

日本にはそれよりもっと高いマンションがたくさんありますから「私たちの住むマンションは大丈夫?」と心配になってしまいますよね。

恐ろしい火災が起こってしまう前に、知っておきたいことを整理しておきましょう。

 

■火災が起こるとエレベーターは停止。避難には使えない!

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まずは、高層階に住んでいると仮定して、エレベーターが使えるのかどうか考えてみましょう。

日本エレベーター協会によると、火災時はエレベーターを避難の目的に使ってはいけないそうです。

火災による停電やパニックによる乗りすぎ、消火の際に使われる水の影響で閉じ込めが起こってしまうことが考えられるからです。

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では、実際に火災が起こった場合、エレベーターはどうなるのでしょうか。

火災報知機からの信号を受けて、避難階(建物のエントランスがある階であることが多い)に直行運転します。

避難階に着いたら自動的に扉が開き、その後は運転を休止するようになっています。

復旧するには、保全管理者が安全確認をしてから再起動する必要があるので、やはり避難のためにエレベーターを使うことはできないのです。

 

■大きなはしご車でも届くのは18階まで!

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高層階に住んでいてもはしご車が助けに来てくれるから大丈夫、と思っているあなた。

現在国内で使用されているはしご車は、最も大きいものでも最大地上高54mまでしか届かないって知っていましたか?

54mとは、ビルの階にすると大体18階くらいです。

例えば、東京消防庁が所有するはしご車は30m級と40m級があり、それぞれ最大地上高が31mと41mと、最大で14階くらいまでしか届かないのです。

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日本には、100m以上の超高層マンションが優に100棟以上あり、中には200mを超える高さのマンションも存在します。

東京にもタワマンがたくさんありますが、はしご車で助けてもらえる人は限られているようです。

 

■非常階段が使えなかったら? 避難経路を確認しておこう

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エレベーターもダメ、はしご車もダメとなれば、非常階段を使うしかない、と思われますが、もしもこの非常階段が火災で使えなかったら一体どうすればいいのでしょう?

大概のマンションは消防法によって「2方向避難」が義務付けられています。

日本のマンションのほとんどにはベランダがあり、横方向に逃げるには隔て板を蹴破って隣のベランダへと移動。

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下方向なら避難はしごを下の階まで伸ばして逃げ、さらにその階のはしごを伸ばし……、というようにすれば、安全な階まで降りることができます。

ただ、普段簡単に開かないように避難はしごのカバーにはロックがかけられていて、緊急時には使い方を知っていないと慌ててしまいそうです。

業者さんが点検に来た際に、使い方を教えてもらっておきましょう。

 

■確認しよう。マンションに防災マニュアルはある? 防災訓練は?

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避難の仕方や避難器具の使い方は、お住まいのマンションのつくりや設備によって違うはずです。

それは、マンションの管理組合や自治会などでつくっている「防災マニュアル」で確認できます。

しかし、すべてのマンションに防災マニュアルがあるわけではありません。

国土交通省が実施している平成25年度のマンション総合調査結果では、「災害時の対応マニュアルを作成している」と回答したのは2割にも満たないということがわかっています。

同じ調査で、「定期的に防災訓練を実施している」としたのは、37.7%。

「防災訓練だったらうちのマンションでもやっている」という人も多いかもしれません。

ただし、これも形骸化しているマンションも少なくないのです。

防災対策に熱心なマンションでも、「訓練に参加するのはいつも同じ人ばかり」という話はよく聞きます。

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しかし、実際に火災に見舞われたとある日本のマンションでは、防災訓練の経験があったおかげで住民が消火活動をし、大きな被害を受けずに済んだということです。

防災訓練で避難はしごや消火器の使い方を習ったり、隔て板を蹴破ったりすることができることもあります。

これまで自分の住んでいるマンションの防災にあまり関心のなかった方、これを機に防災訓練に参加してみてはいかがですか?

 

いかがでしたか。

恐ろしかったロンドンの高層マンションの火災。

実際に燃え続けるビルの映像を見て、考えるところも多かったはずです。

日本のマンションは防火に対する基準がとても厳しいので、あれほどの火災を心配する必要はないと思いますが、

もしもの時のために、火災時の避難について改めて確認してみてはいかがでしょうか。

 

【参考】

※ 一般社団法人日本エレベーター協会

※ 株式会社日立ビルシステム

※ 株式会社モリタ

※ 東京消防庁

※ 国土交通省