「変更や撤去が難しい」造り付け家具は本当に必要?【カウンターデスク編】

 

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【前編】では、要注意の造り付け家具としてテレビボードについてお伝えしました。

今回は、もう一つの要注意な造り付け家具についてお話しします。

キッチンにあったら便利そう、と憧れる女性も多いアレです。

 

■使い勝手はいまひとつ?ダイニングやリビングで放置されるカウンターデスク

 

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「ダイニングルームやリビングルームでの学習が、子供の学力を伸ばす」そんな話をよく耳にします。

実際は様々なメリットやデメリットがあり、お子様本人の性格や好みも考慮すると、必ずしも全員に当てはまる話ではないはず。

ところが「ここでちょっと勉強できるスペースがあれば良いよね!」と、カウンター型のデスクを造り付けてしまうお宅も結構あります。

気持ちは分かるのですが、少しお待ちください。

このカウンターデスクには、把握しておいてもらいたい要注意ポイントがいくつかあるんです。

 

■ポイント1・小学生〜中学生までの学習には不向き?奥行き450ミリの罠

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カウンターデスクというのは、一般的に奥行450ミリ程度で製作されます。

奥行がそれ以上になると室内の動線や壁面との収まりに支障をきたす場合があり、数は少なくなります。

ところが、この奥行450ミリというのは非常にシビアなサイズなんです。

例えば、小学生のお子様が宿題をするシーンを想定してみましょう。

学校で配られるプリントにはB4版の紙が使われることが多く、寸法は364×257ミリ。

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資料集や地図帳のサイズはB5版が多く、広げればプリントと同じB4版サイズになります。

これに加えて、A5版の教科書(広げた場合はA4サイズで、寸法は297×210ミリ)も使うと想定します。

なんとか使うことはできそうですが、やはり少し狭い印象です。

照明を置くのは難しいですね。

 

■ポイント2・学校と自宅では、学習スタイルが違う!?

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実は、奥行き450ミリというのは新JIS規格に基づいた学校の机と同じサイズなんです。

「それなら、奥行きは450ミリで十分では?」と思うかもしれませんが、家庭用としては少し不安が残ります。

学校で黒板を見ながら進む授業とは違い、家庭学習ではプリントや問題集と一緒に参考書などの副教材も見ながら進める勉強が多くなります。

同時に開いている本の数が多くなりがちなため、奥行きも確保しておいた方が安心なんです。

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照明についても、周辺の明るさによっては卓上ランプを使う可能性があります。

作業スペースというのは必要最低限の寸法だけ確保できれば良いというものではありません。

特に、勉強中に机の上で物がぶつかったり、思うように広げられないというのは相当なストレスになります。

オフィスのデスクが狭くてイライラしたことがある方なら、経験的に納得できるかもしれません。

 

■ポイント3・高校生以降なら、教材のサイズは小さくなるものの…

一般的に高校生になると教材のサイズが小さくなり、奥行き450ミリでもストレスなく使えるようになってきます。

A5サイズの教科書と問題集であれば、2つ一緒に広げても大丈夫です。

しかし、その年齢に達したお子様がダイニングルームやリビングルームで勉強するでしょうか?

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自分の部屋があれば、そちらで勉強するというケースも増えてくると思います。

つまり「小学生から中学生にとっては少し狭い」「高校生以降は使わないケースもある」という、

実用性とタイミングが噛み合わない場合もあるのが、カウンターデスクの難しいところなのです。

 

■大人が使う場合でも、奥行きの寸法には要注意

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「子供の勉強だけじゃなくて、大人の作業スペースにもしたい」と、お考えの方も多いかもしれませんね。

大人の場合は、パソコン作業を前提にすると失敗が少なくなります。

とは言っても、あくまでノートパソコンが前提。

デスクトップ型を置くには600ミリ程度の奥行きが必要で、造り付けのカウンターデスクとしては設置できる場所が限られてきます。

また、中には奥行きが400ミリ前後のカウンターデスクもありますが、これはノートパソコンとしては中程度の大きさとなる13インチ型がぎりぎり使えるかどうか。

余裕のない空間では、長時間の作業は難しいでしょう。

雑誌を広げるにも圧迫感を感じるサイズで、実用性はほとんどなくなります。

やはり、最低でも450ミリは確保すべきと言えます。

ただし、この場合でも「誰が、いつ、なんのために使うのか」という点についてはしっかり検討する必要があります。

夫婦がそれぞれの個室を持っている場合はもちろん、家ではパソコン作業をしない、雑誌や本もあまり読まないという場合はカウンターデスク自体が不要な可能性も。

それならば、何も設置せずに空間を広く使った方が賢い選択と言えます。

 

■一度設置したら変更が難しい造り付け家具。「本当に必要?」を合言葉に

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【前編】でお伝えしたテレビボードと、今回のカウンターデスク。

もちろんこれ以外にも造り付け家具はたくさんあります。

そして、そのどれもが「変更や撤去が難しい」という点は共通です。

したがって、造り付け家具を設置する場合は「本当に必要か?」「必要になってから用意しても良いのでは?」「不要な場合はどうするのか?」

ということを忘れずに考えて見ると良いかもしれません。

※参考 文部科学省『小学校・中学校・高等学校用教科書「体様のめやす」』