自宅の花を枯らすと近所からクレーム!? スイスの暮らしかたとは

Fedor Selivanov / shutterstock

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「スイスでの生活」と聞くと、どんなイメージを持ちますか?

「アルプスの少女ハイジ」に出てくるような、大自然、ヤギや羊がいて、チーズやミルクを飲む……そんなイメージでしょうか?

自由で、伸びやかで、平和で……。

今回は、スイス在住歴のある筆者が、スイスでの本当の暮らし方をご紹介しましょう。

 

■ハイジより、クララが住むフランクフルトに近い?スイスの都市

マイエンフェルトの牧場

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家は山小屋で、冬は雪深くてストーブを使い、春から夏にかけてかわいらしい草花が咲き乱れる中を裸足で走る……。

確かに、スイスにはそのような場所は存在します。

「アルプスの少女ハイジ」の舞台になったマイエンフェルト(Maienfeld)のような素朴な村は、今でもその雰囲気を残しています。

しかし首都ベルン、国際的機関があるジュネーブ、そして金融の街、チューリッヒなどは、ハイジとおじいさんが暮らしていた所とは似つかない街、強いて言えばクララの住んでいたドイツ、フランクフルトに近いイメージです。

InnaFelker / shutterstock

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筆者が生活していたチューリッヒは、物価が高く、バンホーフストラッセ(Bahnhofstrasse)はカルティエ、ティソ、バリーなどの高級店がずらりと並びます。

photogearch / Shutterstock

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飲食店や昔ながらのお店が連なるニーダードルフ通り(Niederdorfstrasse)も、とても素朴な村とは大違いです。

 

■ベランダの花を枯らすと、近所からクレームが来る!

スイス人が自慢する通り、絵葉書のイメージを裏切らないのがスイスです。憧れの観光地としてスイスが君臨し続けるのは、それだけ国が力を入れているからです。

まず掃除。道路にゴミ、落ち葉などがたまっている光景はまれです。常に清掃車が街中を行き巡り、掃除をしています。

Stefano Ember / shutterstock

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そして園芸。季節ごとに季節の草花が街を彩ります。枯れっぱなしの草花をみたことがありません。これも国の仕事です。

またどの家のベランダにベコニア、ゼラニュームがかわいらしく咲いています。

「我が家のベランダにも花を植えたい」と相談すると、友人は「花を育てるのは得意?」 と。「枯らさないなら花を植えてもいい」というのです。

枯らそうものなら「花を枯らしてはいけません」とご近所に怒られるか、抗議文がポストに入るとか!

人の家の花のことに口出しをするなんて、なんてお節介なんの!と始めは思いましたが、一人一人が環境美化に勤めている証拠。結局我が家のベランダは、花一輪もない殺風景なものでした(笑)

 

もちろん、スイスのどこもがハイジのようにのどかで平和……というわけではありません。昼間から治安の悪い場所もありますし、難民や不法労働者が増え、犯罪が増加しています。

筆者にとってスイスは第二の故郷ですが、そこで生活するには緊張感が伴います。しかし、花を枯らさず、花を想うスイスの心は、おもてなしを心情とする日本人ともきっと通ずるものがあるはずですよ。