住んでみてわかった!リフォームしたのに入居者が更新してくれない理由【なんでも大家日記@世田谷】

 

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こんにちは、「なんでも大家」のアサクラです。

賃貸マンションをやっていると、必ず直面するのが空室発生時のリフォーム問題です。

賃貸のリフォームというと募集広告に記載できるような設備の交換ばかりが語られがちですが、

その場しのぎの安易なリフォームをしてしまい、失敗したという話はよく聞きます。

人様の物件の欠点を具体的に指摘するのははばかられますが、自分の物件なら遠慮はいりません。

今回は、うちのマンションを例にとって「失敗するリフォーム」についてご説明したいと思います。

 

※ 【なんでも大家日記@世田谷】過去の記事を読む

 

■失敗リフォームにいたるまで

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まずは、リフォームにいたるまでの経緯を、簡単に説明しておきましょう。

うちのマンションは、いまからおよそ50年前に建てられて以来、立地の良さもあってか、最低限のメンテナンスだけでほぼ満室の状態を保ってきましたが、

築30年をすぎたあたりから、徐々に空室が目立つようになりました。

そこで、危機感を抱いた当時の経営者(アサクラの親戚筋にあたります)が不動産会社に相談したところ、以下のようなアドバイスを受けたそうです。

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・在来のお風呂をユニットバスに変える
・トイレにウォシュレットをつける
・外置きの洗濯機を室内置きにする

どれも基本的なことですが、納得のいく提案です。

物件を探すとき、たいていの方は設備の条件でマンションをくらべるので、この3点を改善するだけで内見が増えるのはまちがいないからです。

結果からいえば、この3点を中心としたリフォーム工事のおかげで入居者はすぐに決まり、一時的には空室がなくなりました。

しかし、「一時的」というのがポイントです。

このリフォーム以降、入居者が一度目の更新を待たずに退去することが増えてしまいました。

マンションを経営していた親戚も「不動産会社の言うとおりに工事したのに……」と困惑するばかり。

いったい何がいけなかったのでしょうか?

 

■リフォームで暮らしにくくなった?

それでは具体的に、どれくらい暮らしにくかったか、場所別にご紹介したいと思います。

【立ち上がると鼻の頭が壁に激突!?するトイレ】

もともと狭かったトイレに新しくウォシュレットの便座がのせられたせいで、座ってみると正面の壁が目の前に迫ります。

油断すると、用を足して立ち上がった瞬間、鼻の頭を壁にぶつけるはめに。

この怒りは、誰にぶつければいいんでしょうか……。

トイレを出ると、今度は開けたドアが向かいの壁にガツンと当たります。

ユニットバスを入れたために廊下の幅が狭くなり、ドアを開ききるだけのスペースがなくなってしまったのです。

トイレから出るたびにこれが繰り返されると、ストレスがたまります。

 

【収納が多くても使いにくくビジュアルもいまいちな洗面所】

また、新たに導入された一体型の洗面化粧台も、細かい収納がごちゃごちゃと付属してあるわりには使い勝手が悪く、何よりデザイン性に欠けます。

個人的には、リフォーム前のシンプルな洗面ボウルとミラーキャビネット(裏に収納あり)の組み合わせのほうがシンプルでよかったと思うくらいです。

 

【洗濯機を避けながら料理しなければならないキッチン】

キッチンでは、ガスコンロの前に洗濯パンが設置されました。

これによって、ガスコンロがひどく使いにくくなってしまいました。

2口コンロの場合、窓側のバーナーは洗濯機を避けるような体勢をとらなければ、うまく使うことができません。

古い物件は作られた当時の設備を前提に間取りを構成しています。

ですから、設備をむりに交換したり追加したりしてしまうと、かえって暮らしにくい部屋ができあがってしまうことがあるのです。

賃貸か分譲かにかかわらず、古いマンションのリフォームを考えている方々には、ぜひ注意していただきたいところです。

 

【なんとも野暮ったいクッションフロアの床】

そのほかにも、床の木目調のクッションフロアも、なんとも野暮ったい印象です。

予算的に無垢材のフローリングのような本格的な素材は使えませんが、もっとデザイン性の高いフロアタイルなどはたくさんありますし、施工費用もほとんど変わりません。

そう、このリフォームには、「とりあえず言われたことはやった感」が全体に漂っていて、住む人の快適さや気持ちがまったく考えられていないのです。

これでは、入居者がすぐに出て行ってしまうのもむりはありません。

 

■実際に暮らしてみることの大切さ

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しかし、改悪されてしまった部屋もさることながら、本当に致命的だったのは、当時の経営者が物件の欠点に気づいていなかったことです。

実際にこのマンションで暮らしたこともなければ、この物件のどこが問題か真剣に考えたこともなく

「不動産会社の言うとおりに工事したのに、客が入らない」と文句を言うばかりでは、空室が埋まるわけもありません。

少々偉そうに言ってしまいましたが、僕が物件の欠点に気づくことができたのは、

結婚当初、家賃を節約したいという思いから、このマンションに住ませてもらったからでした。

身内ということで格安で部屋を借りられたのでぜいたくは言えませんが、あまりの暮らしにくさに驚いた記憶があります。

先ほど挙げた問題点はすべて、自分で体験した欠点だったというわけです。

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当時はイライラもしましたが、後にこのマンションを管理・経営することを考えれば、いい経験でした。

実際に暮らしてみたことで、このマンションの何が問題か、身をもって体験できたからです。

ただ、このマンションの経営を引き継いだ当初は、問題点を解決すべくリフォームしようとは思いませんでした。

うちの物件には失望していたので、思い切ってマンションを建て替え、新しいスタートを切りたいと思っていたのです。

次回は、「建て替えか、リノベーションか」というテーマについて考えます。