本当は怖い!? スウェーデンのサンタクロース「トムテ」のヒミツ

Pressmaster / shutterstock

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もうすぐクリスマス。

サンタクロースといえば、誰しもが“ふくよかな姿”で、いい子にしていればプレゼントをくれる“優しいおじいちゃん”というイメージではないでしょうか?

しかし、スウェーデンのサンタクロースは少し違います。

スウェーデンで古くから信じられている、ちょっと変わったサンタクロース「トムテ」についてお話しします。

 

■スウェーデンのサンタクロースは「ヤギ」に乗ってやってくる!?

サンタクロースは、スウェーデンでは「トムテ」と呼ばれています。

トムテとは、北欧の森や古い農家に住んでいる妖精のこと。

トナカイではなく、ヤギに乗ってやってきます。

こんなスウェーデンの森の中から、ひょっこりと出てきそうな妖精トムテ。

でも、もし会えたとしても、あまりうれしくないかもしれません。実は美しく優しい妖精からは程遠く、いじわるでイタズラ好きで、“妖怪”と訳すのがぴったりな存在なんです。

 

■スウェーデンの森や古く清潔な農家の納屋に住んでいる『トムテ』

トムテの風貌は、サンタクロースに似ているようで、少し違います。

白く長いあごひげと、暗闇で光る眼、四本指ととがった耳、赤い帽子と、紺や灰色のボロボロの服。

そして背は子どもくらいです。お世辞にも美しいとは言えない姿です。

 

■働き者だけど、気性の激しい「トムテ」

悪戯をするけれど、トムテはとても働き者。夜、人間が寝ている間に、馬の世話をしたり、家や家族を守ってたりしてくれています。

もし、家に火がついても、トムテが火を消して、火事を防いでくれると言われていて、スウェーデンの多くの家庭には、どこかに「トムテ」の置物があるのです。

働き者の「トムテ」ですが、機嫌を損ねてしまったら大変です。納屋にあるものをすべて盗み、農家を出ていくのです。

家畜を大事に扱わない農夫を棒で殴ったり、子どもに手をあげる親の手を叩いたりと、とても怖い存在です。

 

■クリスマスプレゼントは、「トムテ」へ

日頃から、家や納屋を清潔に保ち、トムテのご機嫌をとっているスウェーデン人ですが、年に1度は、さらに感謝を表す日です。

クリスマスイブには、トムテのために、テーブルいっぱいのご馳走を並べておくのです。人間からトムテへの、“クリスマスプレゼント”です。

トムテは、お米に砂糖と牛乳を加えて炊いたおかゆが大好き。このおかゆは「トムテ粥」と呼ばれ、甘くておいしく子どもたちに人気です。

ご馳走を食べた「トムテ」は大喜び。さらに家族のために、仕事をして、家族に幸福をもたらしてくれるのです。

一方、このお粥を忘れると、その家庭には不幸が訪れると言われています。

 

そんな「トムテ(サンタクロース)」ですが、最近ではアメリカやイギリスからの影響で、スウェーデンでも、子どもたちにプレゼントをくれる“優しいおじいさんというイメージが定着しています。

子どもたちは、“優しいトムテ”にお願いするプレゼントを一生懸命選びます。

しかし、やはりクリスマスイブには必ずお粥を作り、トムテにプレゼントをします。

日本でも、「いい子にしていないと、トムテの怒りに触れるよ!」とスウェーデンの「トムテ」のお話、してみてはいかがでしょうか?