お墓を移すのも一苦労…「離檀料トラブル」って知ってる?

dekoの風 / PIXTA(ピクスタ)

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今でこそ、それほど意識されなくなった「本家」と「分家」。

しかし、昭和の初めまでは家というものは、個人を差し置いて優先されるべきものであり、後継ぎが絶えることはあってはならないものでした。

時は平成。もともと地方に住んでいた方も、都会に出て生活を送ることが多くなりました。

そんな中、意外と苦労されている方が多いのが、お墓参りでしょう。

東京に住んでいる方が、九州にまでお墓参りをするということはとても大変です。ですから、お墓を東京に移してしまおうという発想も当然出てくるわけです。

ただ、それが一家の不和を招くことも少なくなく……。

 

■「お墓を移す」ということ

 tooru sasaki / PIXTA(ピクスタ)

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お墓を移転させることを「改葬」といいます。

そして改葬をする場合、現在お墓のある菩提寺から、新たな菩提寺に鞍替えしなくてはならないのですが、これを「離檀」と呼びます。

しかし、もともとの菩提寺周辺に現在も親族が暮らしている場合、こちらの都合だけで改葬を行ってしまうと、親族間での離壇トラブルに発展しかねません。

昔であれば本家の都合がまかり通ったのでしょうが、今ではそうもいかず、本家 vs 分家の構図となって民事トラブルに発展することも珍しくはないのです。

 

■お墓を「分割する」ということ

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こういったトラブルに巻き込まれたとき、お墓を“ひとつのもの”と考えず、“分割できるもの“として考えると丸く収まります。

つまり、お骨の一部を他の墓に移転する、「分骨」という手法をとればいいのです。

とはいえ、分骨に対しても抵抗のある方もいるので、最終的にはそれぞれの解決法を見つけるしかありません。

 

■僧侶とのいざこざも……

もし一族からの了解が得られても、もしかすると菩提寺の僧侶が苦い顔をするかもしれません。

少々語弊があるかもしれませんが、僧侶からしてみれば“離檀をする”ということは、顧客が減ってしまうということを意味します。

それがその土地の有力な檀家だとしたら、僧侶も手放したくはないでしょう。

そういう時、僧侶は「離檀料」を請求してくる場合があります。

通常であればそれは5万から多くとも10万円ほどだったりするのですが、時に法外な値段をつけてくることもあるというのです。

しかし、日本国憲法には信教の自由が明記されるため、高額な離檀料などは一切払う必要はありません。

ただ、だからといって端から払わなくてもいいと考えるのはやめてください。

今でこそ「離檀料」と名のつく“請求”ですが、昔は僧侶に感謝の意をこめて檀家の側から渡していた“お布施”でした。

高額な離檀料を取らない良心的な菩提寺であるのなら、そこは今までの感謝ということでしっかりとお布施をするべきです。

 

改葬や離檀というものは、時に一家のつながりをバラバラにしてしまうこともあります。便利になった世の中ですが、何でもかんでも合理的に済ませるというのも考えものですね。