知ってるようで知らない!?「年末調整」のキホン~家族編~

ロン / PIXTA

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知ってるようで知らない!?「年末調整」のキホン。前回の”夫婦編”に続いて、今回は”家族編”をお伝えします。

年末調整で「扶養控除等申告書」などを提出することによって受けられるさまざな所得控除(所得から差し引いて税負担を軽くする仕組み)。

配偶者控除、配偶者特別控除と同じく、人に関する控除の代表的なものが“扶養控除”です。

扶養控除の対象となるのは、所得者と生計を一にする16歳以上の親族(配偶者、青色事業専従者として給与の支払を受ける人及び白色事業専従者を除く)で、合計所得金額が38万円以下の人です。

控除を受ける際のポイントや注意すべき点をみていきましょう。

 

■ポイント1:所得は38万円以下

前回の”夫婦編”でも説明したように、給与所得だけの人は、年収103万円以下であれば合計所得金額は38万円以下となります。

例えば、アルバイトをしている子どもの年収が103万円を超えると、控除の対象外となります。

年金生活をしている親を扶養しているケースではどうでしょうか。

この場合、親の所得は公的年金等の収入金額から「公的年金等控除額」を差し引いた雑所得になります。

「公的年金等控除額」とは、年金生活者の経費のようなもので、65歳未満と65歳以上で金額が変わります。

親の年齢が65歳未満なら公的年金等の収入金額が108万円以下65歳以上なら158万円以下のとき、所得は38万円以下となり、扶養控除の対象となります。

なお、遺族厚生年金などの遺族年金は非課税所得のため、扶養控除の判定の基礎となる所得には含まれません。

 

■ポイント2:「生計を一にする」=「同居」とは限らない!

「生計を一にする」とは必ずしも“同居”のことを言っているのではありません。

例えば、下宿生活をしている大学生の子どもや、離れて暮らす年金生活の親なども、所得者本人からの仕送りで生計を立てていれば、扶養控除の対象となります。

 

■ポイント3:控除金額は扶養親族の年齢によって変わる

扶養控除によって所得者本人が受けられる控除額は、控除の対象となる扶養親族の年齢によって変わります。

年齢は12月31日現在の年齢です。このため、高校1年生でも15歳の子は扶養控除の対象外です。16歳の子がいる場合は、38万円の控除が受けられます。

19歳~22歳は特定扶養親族として控除額は63万円になります。教育費の負担が大きい大学生の子どもがいる家庭などは助かりますね。

大学卒業後、大学院へ進学する場合でも、生計を一にし、所得が38万円以下なら扶養控除の対象となります。22歳なら控除額は63万円、23歳以上なら38万円となります。

扶養親族の年齢が70歳以上になると控除額は48万円に、さらに同居の場合は58万円になります。

例えば、同居している70歳以上の両親の所得がどちらも38万円以下で、生計を一にしている場合、控除額は58万円×2人分で116万円になります。

この116万円が所得者本人の所得から控除され、そこに税率がかけられます。

所得者本人の所得税率が10%なら、116万円×10%=116,000円の節税(※注)になるわけです。

 

■「年末調整」は節税のチャンス!

「年末調整」で申告したさまざまな控除は、所得税だけでなく、翌年の住民税の計算にも反映され、節税効果はさらに大きくなります。

さまざまな控除が受けられる「年末調整」。控除を受ける際のポイントを”夫婦編”、”家族編”でご紹介しました。

今年1年間の「収入」は変わらなくても、「所得」は本人の申告によって変わります。

ぜひ、年に一度やってくる「節税チャンス」をしっかり活用してくださいね!

 

(※注)控除の有無で所得税率に変更がない場合

 

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