プロが教える、欠陥物件を見抜くためのテクニック(中古戸建て編)現地調査をする

HAKU / PIXTA
住宅ローンを組んで、やっと手に入れた我が家が欠陥だったら……。
プロが教える、戸建ての欠陥物件を見抜くためのテクニックをご紹介するこのシリーズ。
前回は、図面を使った「構造の簡易チェック法」をご紹介しました。平面図があれば、簡単に間取りのバランスチェックができますので、ぜひチャレンジしてみてください。
今回は、構造に問題がないか確認するための「現地調査のテクニック」をご紹介します。現地調査は、現地に行く前から重要なポイントがありますよ。
■現地調査の前に

「国土交通省 ハザードマップポータルサイト」より
現地調査の前に、以下のことをまずは下準備しておきましょう。
(1)構造の簡易チェックを済ませておく
1は、前編でご紹介した図面を使った構造の簡易チェック法です。
図面や書類のチェックは、現地調査の前に必ず実施しましょう。
例えば、「1階と2階の壁がそろっていない。2階のこの辺りを重点的にチェックしよう」など、目的をはっきりさせて、具体的な計画を立てましょう。
建物調査は、このような事前の準備がとても大切です。
(2)床下点検口、小屋裏点検口の位置を確認しておく
現地調査は“非破壊”が原則なので、仕上げがされていて見えない建物内部の状況が、点検口から確認できます。
床下点検口は、洗面所やキッチンなど水廻りに設置されていることが多いです。小屋裏点検口は、最上階の収納上部に設置されていることが多いです。
場所が分からなければ、不動産業者さんに確認しましょう。事前に点検口を開けておいてもらえるようお願いしておくと、当日の調査がスムーズですよ。
(3)ハザードマップの入手と確認
役所で情報が公開されていることもあります。
インターネットで閲覧できる場所もあるので、チェックしてみましょう。
地震時の地盤の強弱はどうか、地盤沈下が起こりやすい土地かなど、構造に関わる情報が手に入ることがあります。
■現地調査に持って行くと役立つもの
(1)懐中電灯
懐中電灯は、細いタイプがお勧めです。利用用途は3つ。
1つ目は、空き家の物件は、照明が準備されていない場合があるので、照明代わりに使います。
2つ目は、床下点検口と小屋裏点検口をチェックする時に使います。基本、光があたらない場所なので、懐中電灯がなければ真っ暗です。
3つ目は、壁や床などの平滑な面で、仕上げや施工に不良がないか確認する時に使います。
平滑な面と平行に懐中電灯の光をあてると、平滑な面の凹凸や傾きなどがチェックしやすくなります。
(2)デジタルカメラ
コンパクトなタイプがお勧めです。利用用途は2つ。
1つ目は、記録用です。現地調査で写真は、後から確認ができるように、とにかくたくさん数を撮ることがお勧めです。
写真に加えて、デジタルカメラの動画機能で、部屋ごとに撮影しておくと良いですよ。
2つ目は、直接確認しにくい、狭い場所や高い場所を撮影して、その映像を見ながらチェックすることができます。
このような人の目線でチェックしにくい場所ほど、問題があるものです。
(3)脚立
脚立は、あるととても便利です。持ち運びができる程度の大きさのものでも十分です。
建物内部は、以外と人の目線で確認できない箇所が多いものです。
次回は、建物の構造に問題がないか確認するための現地調査チェックポイントをご紹介します。
【参考】
※ 国土交通省ハザードマップポータルサイト
【 プロが教える、欠陥物件を見抜くためのテクニック(中古戸建て編)】
※ 構造チェック法