プロが教える、欠陥物件を見抜くためのテクニック(中古戸建て編)現地チェックのコツ

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住宅ローンを組んで、やっと手に入れた我が家が欠陥だったら……。
プロが教える、戸建ての欠陥物件を見抜くためのテクニックをご紹介するこのシリーズ。
前回は、現地調査の前に行っておきたいチェックポイントや、現地調査で活躍してくれるお勧めの携行品についてご紹介いたしました。
今回は、いよいよ欠陥物件を見抜くためのテクニック「構造編」として、現地調査のチェックポイントをいくつかご紹介します。
■器具を使わずに「建物が傾いていないか」チェックするコツ
水平器やオートレーザーなどの特殊な検査器具を使う方法もありますが、なかなかそういったものを準備するのは難しいもの。
今回はそのような器具を使わないで、建物の傾きを確認するコツをご紹介しましょう。
(1)スリッパは履かない
物件の内覧をする際、スリッパを用意してくれることがほとんどです。しかし、現地調査の時はスリッパを履かないでください。
人は、足の裏からたくさんの情報を確認することができます。傾きや、凹凸、傷みなど、歩いて違和感があれば、感じることができます。スリッパを履いてしまうと、これら情報を察知することができなくなってしまいます。
建物の傾きですが、日頃平坦な場所を歩き慣れているので、ちょっとした傾きなど、注意して歩けば気がつけます。違和感があるな、気持ち悪いな、と感じるほどであれば、おそらく精度の許容範囲を超えています。
ただし、ここで注意点ですが、建物は工場生産品ではないので、「傾き0(ゼロ)」を求めてはいけません。あくまで許容範囲を越えるような傾きがあるのか、ないのかを確認することが大切です。
(2)扉や窓の開閉確認
現地調査の鉄則は「動かせるものは、動かす」です。
当然、家中の扉や窓は、必ず開け閉めをしましょう。引っかかって開けづらい場所がないか、入念にチェックしてください。
建物が傾いていたりする場合、開口である扉や窓の部分にゆがみが出て、開閉不良を起こすことがよくあります。
■「ひび割れ」がないか、チェックする
内部だけでなく、外部も、ひび割れがないかしっかりチェックしましょう。
扉や窓などの開口部まわりは、ひび割れが発生しやすい箇所です。重点的にチェックしましょう。
リフォームされて、見た目が綺麗になってしまった建物は、床下点検口や天井点検口から建物の内部がチェックできます。
床下点検口は、基礎のコンクリートをチェックできるので、ひび割れや欠損などがないか、懐中電灯を使いながらしっかり確認しましょう。
■建物外周部のチェックも忘れずに
建物外周部では、基礎コンクリートにひび割れがないか、地面が沈下している箇所はないか、忘れずにチェックしましょう。
前回の“現地調査の前に行っておきたいチェックポイント”でハザードマップの確認をお勧めしましたが、土地の地盤に何か問題がある情報が見付かった場合は、特に建物外周部、できれば近隣を含めて、地盤の沈下などがないかチェックしましょう。
中古戸建ての欠陥を見抜くテクニック「構造編」として、図面の簡易チェック方法や現地調査の方法をご紹介いたしましたが、いかがでしたか?
構造以外にも、漏水や不動産、環境のチェックなど、まだまだたくさんチェックしなければいけないポイントがあります。
引き続き、項目に分けながらご紹介します。
【 プロが教える、欠陥物件を見抜くためのテクニック(中古戸建て編)】
※ 構造チェック法