心理学で片付けが習慣づく!? ハーバードの論文を応用した方法とは?【前編】
「よし、今日からお部屋の片付けを習慣にしよう!!」と思い立つ時ってありますよね。
そんな時に「何かいい方法ないかな?」と考えてインターネットで調べてみたり、本を探して読んでみる人も多いでしょう。
「よし、頑張ろう!」と決心はするものの、なかなか続けるまではいかないのが現状です。
そこで、ハーバード大学院の教授のトッド・ロジャース(Todd Rogers)が発表した論文『Reminders Through Association.』に、とても参考になるものを見つけました。
この論文を応用したお片付けテクニックを、前編・後編に分けてご紹介します。
前編では、片付けができない原因で起こりがちな考え方についてお話します。

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ほかの用事でつい後回し!どうしても思い通りに進まない片付け

Ushico / PIXTA(ピクスタ)
「あ、もう子どもを迎えに行かなきゃ!」「そういえば、そろそろお醤油がなくなりそう。スーパーに買いに行こう!」
このように、いろいろな用事に時間を取られて、気づけばもう夜。

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「今日はもうできないから、明日やろう……」と、仕方なく諦めて就寝。
朝起きれば、次の日には別の用事が目白押し。
部屋の片付けはすっかり忘れてしまって、「また今度の週末にでも……」と思ったまま、やっぱり週末も予定で埋まって片付けができないまま。
そこで忘れないようにと思って紙のメモやスマホのスケジュールを使っても、その場では「そうだよね、やらなきゃな。」と思いながら、ついつい先延ばしにしてしまう。

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この状態が続くと、人はこう考えがちです。
「自分は、もともと片付けができない人間なんだ。やろうと思っても、すぐ忘れてしまう。きっと性格の問題だからしょうがない」
そして片付け自体を諦めてしまい、世の中でたくさん紹介されている片付けのノウハウも活用されません。
でも、「片付け習慣が身につかないのは性格のせい」というのは大間違い!
それは性格のせいではなく、ただ単に片付けを習慣化するテクニックを知らないだけなんです。
心理学を応用すれば、どんな人でも片付けができるようになる?

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日本はもちろん、世界各国の大学をはじめとした機関では心理学の研究が盛んに行われています。
有名なものでは「囚人のジレンマ」や「ラベリング効果」というものがあり、経営書や自己啓発書ではよくこれらの単語が登場します。
しかし、心理学で研究された内容は経営や自己啓発だけにしか使えないわけではありません。
心理学は、人間の精神や行動を研究する学問です。当然、片付けの習慣化にだって応用できます。
それでは「片付けが習慣化できない」と悩むあなたのために、心理学的に実証されている方法をご紹介します。
ハーバード大学院の教授による常識と反するテクニックとは?

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ハーバード大学院の教授のトッド・ロジャース(Todd Rogers)が発表した論文『Reminders Through Association.』で、面白い研究成果が報告されています。
その報告をご紹介する前に、ひとつ問題をお出しします。
無作為に選んだ人を対象にして、「コーヒーショップのクーポンを渡して、忘れずにそれを使ってもらう」という課題を与えます。
そして、コーヒーショップのレジには以下の2つの方法をリマインダーとして設置しておきます。
A.レジの横に、「クーポンを使う」と書いた紙を貼っておく。
B.映画『トイ・ストーリー』に出てくるキャラクターの写真を見せて「この写真を見たらクーポンを使う」と覚えておくようにあらかじめ伝えておく。
そして、その写真をレジの横に貼っておく。
さて、2つのグループのうち、どちらがコーヒーショップのクーポンを忘れずに使う確率が高かったでしょう?
後編では、実験結果と実際の活用例をお伝えします。
(つづく)
【参考】