心理学を応用した片付け習慣

「パブリック・コミットメント」ってなに?心理学を応用した片付け習慣・その3

突然ですが、あなたの隣に今日からダイエットをしたいと考えている友人がいるとします。

その友人があなたに向かって「わたし、今日からダイエットするね!」と宣言すると、友人は実際にダイエットに成功する確率が高くなるという話を聞いたことはありませんか?

これは心理学者のクルト・レヴィン氏が提唱した「パブリック・コミットメント」と呼ばれる行為で、「周囲の人に向かって目標を宣言すると、達成率が高くなる」というものです。

自分の目標を達成するために他人の目を使うというのは、心理学では常套手段です。今回はパブリック・コミットメントについて解説します。

実は危ない?使い方によっては逆効果になる、諸刃の剣

掃除

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この「パブリック・コミットメント」は、もちろん片付けの習慣化にも応用できます。

周囲の友人や同僚に「最近は部屋の片付けを頑張っている」「1日10分は部屋を片付けるようにしている」と公言するだけで、習慣化できる可能性が高くなります。

しかし実は、このテクニックには大きな落とし穴があります。

 

人間の思考回路は、想像するだけで満足してしまう!?

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片付けの習慣化を公言すると、「頑張ってね!」「私も見習わなきゃ」などと言われることもあるでしょう。

片付け習慣を身につけようと思っても挫折する人が少なくないので、おそらく前向きな言葉を投げかけられるのではないでしょうか。

すると、意外なことが起こります。

なんと「片付けが得意な自分」というイメージが先行してしまい、実際に片付け自体をしなくても満足してしまうケースが出てくるのです。

 

一人暮らしで、部屋に他人を招く機会がない人は要注意

汚部屋

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「片付け」というのは、自分以外に成果を検証しにくい目標です。

一人暮らしで、かつ部屋にあまり人が来ない方の場合は、誰からも「嘘じゃん!」と突っ込まれずに済んでしまう可能性もあります。

このような場合は、本当に自己満足で何もせずに終わってしまうことも考えられます。

おもしろいことに、これも「パブリック・コミットメント」を提唱したのと同じクルト・レヴィン氏によって「代償行為」という名称で証明されています。

では、どうすれば他人の目を上手に使いながら実際に片付けを習慣化することができるのでしょうか。

 

SNSでリアルタイムで見せることも有効!

SNS

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想像するだけで満足してしまうという現象を避けるためには、「リアルタイムで、具体的に伝える」というのが有効です。

この条件が揃ってこそ、「パブリック・コミットメント」が本来の効果を発揮します。

しかし、部屋の片付けは一人ですることが多い作業。

なかなか他人にリアルタイムで見ていてもらうことはできません。

SNSで片付けの進捗状況を発信するのも一つの手段ですが、「片付けはしたいけど、部屋を見られるのは嫌だ」という方もいらっしゃるでしょう。

そこで、筆者が一番オススメする方法をご紹介します。

 

電話に出られない理由と一緒に、片付け習慣を公言する!

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以前に「20秒の我慢がポイント!? 心理学を応用した片付け習慣・その1」でお伝えした、スマホの位置を工夫する方法と組み合わせてみてください。

スマホを離れた場所に置いておくと、当然その間は電話に出たりLINEに返事を返すことはできません。

そこで、友人などに「最近は片付けを習慣化するためにスマホをその時間は遠ざけているから、○時〜○時は電話に出られない」とあえて公言しておくといいでしょう。

 

LINEの機能を上手に使うのも、手軽でオススメ!

LINE

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もしくは、LINEのひとこと機能や自己紹介にその旨を書いておくのも手軽なのでオススメです。

さらに余裕があれば、「今日はキッチンの掃除をしている」「いま、リビングの掃除をしています」と書いてもいいでしょう。具体的であればあるほど効果的です。

こうすることで、「友人や同僚は、今の時間帯は私が片付けをしていると思っている」という意識を持つことができます。すると、実際に片付けをしなければならないという感覚が強まるのです。

これが、「パブリック・コミットメント」の正しい使い方です。

他人の目を上手に使うのも、片付け習慣を身につけるには大切です。

使い方によって、良くも悪くも片付け習慣に効果を与えてしまう「パブリック・コミットメント」というテクニック。

ぜひ、良い効果を得られるように使ってみてください。

 

【参考】

※ ロバート・チャルディーニ『影響力の武器』

※ Derek Sivers『Keep your goals to yourself.』