元・公務員宿舎がDIYできるアパートに!館山で話題の「ミナトバラックス」を訪ねて
房総半島南端のシラハマ校舎に感動した後は、北へ戻って館山へ。
DIYブログで大人気の漆原秀さんが、現在の本拠地にしている「ミナトバラックス」に着きました。
漆原さんとは、3年程前にリノベーションのイベントで名刺交換をして以来、主にフェイスブックで交流していました。
一昨年、築古の公務員宿舎を手に入れた際には興味津々(笑)!
夫と愛犬と共に、ビフォアお披露目イベントにも参加しました。

設計事務所による模型も用いたプランの説明会の様子です
その後の様子も拝見したいと常々思っていましたが、なかなか機会がありません。
ある日筆者がフェイスブックで本当に何の気無しに「芝刈り機を買う予定」と投稿したところ、漆原さんが「ミナトバラックスで使っていない芝刈り機があるので譲ります!」と、コメントをくださり、今回の弾丸ツアー決行に至った次第です。

色使いがキッチュで可愛い芝刈り機、頂戴しました!
さあ、果たしてどう変わっているのでしょうか?
ワクワクです!
リノベは部分的にとどめ、各々工夫して住みこなす楽しさを提供
1階の大部分は共用スペースで、ギャラリー展示やパーティールーム・作業室・倉庫として利用されてました。

アーチスト服部ぼぶさん作。筆者と漆原さん共通の友人です
レトロ感がたまらないトグルスイッチをここでも発見!
職人さんの心意気を感じる作り込みにグッときますね。
倉庫には、集めた雑貨やインテリア素材がザクザク! みな出番を待っているお宝達です。
アパートのキッチンは設計事務所のオリジナル。
シンプルですが、カウンターの支えを斜めに落としたラインにデザインセンスを感じます。
床は合板を現場で滑らかに加工したローコスト仕上げ。ビスが見えていても、新品のフローリングやフロアタイル等よりも、むしろ全体の雰囲気に良くマッチしています。。
昭和な雰囲気の板張り壁。
ここから、借りた人が塗るも良し・貼るも良しのキャンバスのような空間です。
水回りは、ほぼ既存のままですが、お風呂だけはデザインの良い大きめの浴槽に取り替えられ、追焚付というのは嬉しいポイント。
荒々しい部分も残っているので、やはりカスタマイズはしたくなりますね。
きっと私だったら養生ゴムマットを敷いて……などアレコレ考えながら見るのも楽しいひと時です。
手の届く「憧れの生活」や「欲しかった住まい」がここにある!
ミナトバラックスは、大家さんである漆原さんと入居者の交流も活発。
食材のおすそ分け等、昔の長屋的コミュニティが形成されているので、子育てもしやすそう。
「DIYしたいけど未経験……」という場合も大丈夫。
漆原さんや入居者さん達にアドバイスしてもらえますし、道具も貸してもらえるそうです。
しかも基本的に退去時の原状回復義務はなし!

入居募集中の部屋。残りあと2部屋になっています。
また、このミナトバラックスは、デュアルライフ(DUAL LIFE=二拠点生活)用としても提供したいというのが漆原さんの考えです。
隣接のエアストリームも宿泊可能・ミナトバラックス内にもパーティースペース、ゲストルームがあります。
建物をフルリノベしない分コストを極力抑え、デュアルライフを目指す人が一歩踏み出せるような、良心的価格設定になっているのです。
これからも目が離せない館山、出会いに感謝
物件を所有されてから、様々な難題があったと思いますし、今後の課題も山積みといった状況でしたが、必ずや年々良い方向に進化していくことでしょう。
なぜなら、漆原さん自身がそれを楽しんでいるから。
19世紀の美術評論家ジョン・ラスキンの言葉を思い出していました。
「自分に合った仕事に就いている時、豊かな庭に色づいた花が咲くように、楽しみが仕事から生まれる」
大家も入居者も、古い建物を楽しんで住むうちに五感は豊かになり、クリエイティブな交流が生まれ、いつか地域の活性にまで導かれる……そんな未来がイメージできました。
娘さんが書いてくれた愛犬の絵です。早速、大事に我が家に飾りました。
さて、ツアー最後の目的地、歴史ある美しい建物での様子は、次回に続きます。
【取材協力】