「館山TRAYCLE」って知ってる?海辺の登録有形文化財が人気カフェに!
ひょんなきっかけから、ステキな場所を巡る日帰りツアーを満喫した筆者夫婦。
前々回は千葉県最南端にある白浜町に誕生した新型の多目的施設「シラハマ校舎」を、前回はDIYブログで大人気の漆原秀さんが現在の本拠地にしている千葉・館山の「ミナトバラックス」をご紹介しました。
今回は、最終目的地の「TRAYCLE Market&Coffee(トレイクル マーケット&コーヒー)」をご紹介します。
いよいよ南房総ツアー最後の目的地へ
千葉・館山の海沿いに建つ築100年超の小さな洋館、「TRAYCLE Market&Coffee(トレイクル マーケット&コーヒー)」に到着しました。

左はオーナーのCさん。建物はお祖父様が残した財産です
実はこの美しい建物をカフェにしようと、オーナーご夫妻が館山移住を決意し、探して入居したアパートが他でもないミナトバラックスだったそうです。
一昨年、ミナトバラックスと同日にリノベ前を見せて頂いたので、アフターを拝見しつつ、カフェでフェアトレード・コーヒーを頂く機会をずっと待ち望んでいました。

リノベ前なので愛犬も入れてもらったビフォア見学会の様子
いくつものハードルを乗り越えてのカフェ開業
以前は事務所として使われていた建物をカフェにコンバージョンするにあたり、かかる工事費は手持ち予算を超える額になってしまいました。

100年前のスイッチや木枠の窓にうっとり
オーナーご夫妻は、その資金調達をクラウドファンディングで行いましたが……立ち上げた当初は目標額に遠く及ばず、不安な時期が続いたそうです。
地道な活動で少しづつ賛同者が増えていき、終盤で一気に盛り上がって見事達成した時は、わずかながら支援していた筆者も夫と喜び合ったものです。
しかし……その後はコスト削減のための過酷なセルフリノベが待っていました。
壁の塗装や床のタイル貼り等々、寝ずの作業で必死に仕上げたそうです。
筆者も経験がありますので、首や膝の痛み・気力の維持……さぞかし大変だっただろうと思います。
そんな苦労を経て、ついに2016年12月にオープン。
以来、着実にファンを増やして館山の人気店になっています。
海風と陽光が心地よい和洋折衷のリノベ空間
1階はキッチンと、様々なフェアトレード品が並ぶお店コーナー。

壁の右手、古い金庫です
この味のあるカウンター天板は、勾配が急で取り外した階段の板を再利用したものだそうです。

ビフォア写真がありました
2階は、和室だった2部屋と板の間を繋げて広いダイニングに。

白い床はセルフで貼った六角形のモザイクタイル
家具や調度品がゆったりと置かれているので、コーヒーを飲みながら思い思いの時を過ごせます。

ビフォア

同じ方向からのアフター

壁にはクラウドファンディング支援者の記名。
そして存在感を放つスイッチがここにも。
シラハマ校舎・ミナトバラックスでも見つけたトグルスイッチ、きっと同じ電気職人さんだろうと思ったら、やはりそうでした。
地元にこんな電気屋さんがいるなんて羨ましい!
ちなみ下の写真は、以前にこちらの記事でもご紹介した12年前にリノベした筆者宅のトグルスイッチ。
簡単ではないカフェ経営。二人三脚で常に笑顔を忘れずに!
愛犬同伴のため、コーヒーと手作りマフィンは外に運んでもらいました。
青空の下で伺ったお話からは、仕込み・接客・販売・イベント企画と……なかなかハードな日々がうかがい知れました。
どんなに好きで始めた事でも、やはり楽しいだけとはいかないものですよね。

オーナーのCさん夫妻と筆者&愛犬
それでも続けていくことが、後に得られる多くの有形無形の大切なものへと繋がっていくのではないでしょうか?
その証拠に、昨年11月には日経電子版による何でもランキング「訪ねたい文化財カフェ12選」で、東日本の5位に選ばれました!
由緒ある老舗がランキングに多く名を連ねる中での快挙です。
東日本
1位 自由学園明日館(東京都豊島区)
2位 富士屋ホテルオーキッド(神奈川県箱根町)
3位 タチカワカフェ(北海道函館市)
4位 大正ロマン喫茶室(青森県弘前市)
5位 トレイクルマーケット&コーヒー(千葉県館山市)
6位 スターバックス弘前公園店(青森県弘前市)
また最近では、お二人のライフスタイルが書籍で紹介されたりもしています。
以上で南房総シリーズは終わりますが、ご紹介した3か所はすべて、使われなくなった古い建物を見事に生まれ変わらせていました。
これからも長く愛されていくはず……再訪が楽しみです。
皆さんも気になる場所があったら、ぜひ訪れてみてくださいね!