心理学を応用した片付け習慣

片付け前に理由をメモしたほうがいいって本当?心理学を応用した片付け習慣・その4

綺麗なお部屋をキープするためには、片付け習慣を身につけることがとても大事。でも時には「面倒だな〜」と感じてしまって、思うように片付けが進まない日もあるでしょう。そんな時には、「どうして片付けをしたいのか」ということを振り返ってみるのも大切なことです。

これは、習慣化を扱う書籍などではお馴染みとなっている「目的を再認識する」「初心に戻る」という作業です。

ところが、この作業は一歩間違うと逆効果になってしまうことはあまり知られていません。

今回は、心理学の実験で判明した「正しい片付け習慣の身につけ方」をお伝えします。

どうして片付けをするの?その理由を書き出してみよう!

掃除

xiangtao / PIXTA(ピクスタ)

あなたが片付けをしたい理由はなんでしょうか?

「友人を招いても恥ずかしくない部屋にしたいから」という人もいれば、「いつも探し物が見つからなくてイライラするから」という人もいるでしょう。

この「目的や動機」を思い出すのが、冒頭にお伝えした作業です。

メモとペン

Mr.Jub / PIXTA(ピクスタ)

用意するのは紙とペンだけでOK!

パソコンやスマホのメモ機能でも良いのですが、実物の紙に書いた方が頭の中が整理されるという研究があります。

できれば紙とペンを使いましょう。

 

「理由や動機は、数が多いほど良い」というのは間違った思い込み

メモとペン

清十郎 / PIXTA(ピクスタ)

いざ書き出してみると、パッと思いつくのは2つか3つ程度の人が多いのではないでしょうか。

もしかしたら、1つしか思い浮かばない人もいるかもしれませんね。

でも、そこで「動機がこれだけしかないなら、そもそも自分は片付けなんてしたくないのかも……」とは思わないでください。

これは「理由や動機は、数が多いほど良い」という、間違った思い込みが原因なのです。

ましてや、「理由をもっとたくさん探さなきゃ!」と考えてはいけません。

それを実証する、興味深い実験をご紹介しましょう。

 

課題は多いほど良いわけではない!? 経営者対象の実験で出た意外すぎる結果とは?

アンケート

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ペンシルバニア大学の組織心理学者であるアダム・グラント氏は、会社の経営者を集めて2つのグループに分けました。

そして、「自分の会社の強みを書き出す」という課題を与えます。

Aグループには、強みを3個だけ書いてもらいます。そして、Bグループには12個書いてもらいました。

そして課題を終えたあとに、「自分の仕事にどれくらい満足しているか」というアンケートを取りました。

繰り返しになりますが、彼らは全員が会社の経営者。

当然ながら、自社の強みについてたくさん書けた方が満足度が高くなりそうだと予想できます。

ところが、結果は意外なものでした。

 

数が増えると、「書き出したもの」が重要に思えなくなる。

経営者

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なんと、自社の強みを3個だけ書き出したAグループの方が、12個書き出したBグループより仕事に対する満足度が10ポイント中で平均2.5ポイントも高くなったのです。

理由としては、「人は直感的に思い浮かぶもの以外にはあまり価値を見出せない」ということがあるようです。

つまり、12個も書いていくうちに「うちの会社の強みって、大したことじゃないかも……」と感じてしまったということです。

これを片付けに当てはめて考えると、次のようなことが言えます。

 

最初に思いついた数個の動機を、何度も思い出して大切にする。

掃除

Fast&Slow / PIXTA(ピクスタ)

部屋を片付けるのに、いくつも理由や動機を考える必要はありません。

それどころか、数が多すぎると逆効果であることも心理学の実験で分かっています。

なので、最も効果的なのは「パッと思いつく理由や動機を、何度も思い出す」ということなのです。

あなたは、どうして部屋の片付けをしようと思ったのか。

メモ書き

Graphs / PIXTA(ピクスタ)

片付けが面倒になってきた時は、紙とペンでその理由を書き出してください。

2〜3つあっても良いですし、1つだけでももちろん大丈夫!

その1つだけの動機を忘れないようにすれば、きっと片付け習慣も身につけることができます。

 

【参考】

※ THE WALL STREET JOURNAL.『あなどれない「手書き」の学習効果』

※ アダム・グラント『ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代 』