心理学を応用した片付け習慣

楽観的な方が片付け習慣が身につく!心理学を応用した片付け習慣・その9

片付け習慣を身につけようと思って頑張っていても、どうしても長く続かない。

そんな悩みを持っているのは、あなただけではないはずです。

「ひょっとしたら、私は片付けに向いていないのかも?」と思っている方に、お伝えしたい心理学の理論があります。

ペンシルベニア大学のポジティブ心理学センターにてセンター長を務める、マーティン・セリグマンの研究から導き出された「学習性無力感」という理論についてのお話です。

片付けが長続きする人と、長続きしない人にはどんな差がある?

あなたの周りで、片付け上手な人はいますか?

片付け

mits / PIXTA(ピクスタ)

その人は、もしかしたら片付け習慣をうまく身につけられたのかもしれません。

テキパキと片付けをこなしていて、しかもそんなに苦労しているようにも見えない。

そのような人と、片付け習慣が身につけられない人の差はどこにあるのでしょうか?

 

不気味な実験が明らかにした、人間の学習理論。

1960〜1970年代にかけて、前述した心理学者のマーティン・セリグマンによってある心理学の実験がさかんに行われました。

以下のような、少し不気味な雰囲気を帯びた実験です。

被験者をグループ分けして、2日間に渡ってわざと大音量の不快な音楽を聞かせます。

スピーカー

GARAGE38 / PIXTA(ピクスタ)

そして目の前にボタンを置いておくのですが、被験者には何のボタンかは説明しません。

ボタンの役割は次の通りになっていました。

  • Aグループ:押すと音楽が止まるボタン。
  • Bグループ:押しても音楽が止まらないボタン。

音楽を流し始めると、Aグループはすぐにボタンの役割に気づきます。そしてボタンを押して、不快な音楽を止めることができました。

Bグループの被験者もとりあえず押してみるのですが、音楽に変化がないのでそのまま我慢し続けます。

 

ここからが実験の本領発揮!あなたならどうする?

翌日にも、やはり被験者に大音量の不快な音楽を聞かせます。

すると、今度はグループごとに行動に違いが見られました。

  • Aグループ:ボタンを押して、すぐに音楽を止める。
  • Bグループ:ボタンを押そうとせず、ただ我慢し続ける。

Bグループの被験者たちは「押しても、どうせ止まらない」と、諦めてしまっていたのです。

うるさい

Graphs / PIXTA(ピクスタ)

実はこのとき被験者には内緒で、Bグループのボタンも押せば音楽を止められるように付け替えてあったんです。

押せば不快な音楽を止められるのに、押そうとしなかった。

これが、マーティン・セリグマンによる「学習性無気力」という理論を実証した実験です。

 

全員がボタンを押さなかった……わけではない!

ところが、Bグループの被験者のうち2日目にもボタンを押した人もいました。

スイッチ

0120 / PIXTA(ピクスタ)

話を聞いて分析してみると、「挫折は一時的なもので、いずれ克服できる」という楽観主義的な傾向が強かったそうです。

割合としては3分の1程度とのことなので、「意外と多いな」という印象を持たれる方もいらっしゃるかもしれませんね。

「私はボタンを押さない方だろうな……楽観主義者とは違う」と思っても、悲観するのは早すぎます。

誰でも楽観主義的な考え方を身につけられる、簡単な方法があります。

 

片付け習慣を身につけたいなら覚えておきたい、「楽観主義的」な考え方とは?

片付けは毎日できれば理想ですが、普通に生活していればできない日も当然でてきます。

そんな時は「今日できなかった」と落ち込むのではなく、「次にできるまでに何日かかるか」に目を向けてみましょう。

例えば、忙しくて10日間片付けができなかったとしましょう。

悲観的に考えれば「10日も片付けをサボってしまった私はダメ人間だ……」となりますが、こう切り替えて考えてみます。

片付けできない

Deja-vu / PIXTA(ピクスタ)

「最後に片付けをした日から、何日で復帰できるかな?」

そして見事片付けに復帰できたら、「11日目に復帰できた!」と自分を褒めてあげます。

これが12日だろうが、30日だろうがあまり関係ありません。

大事なのは「いつ復帰しようかな?」と、片付け習慣への復帰を前提にして考えることです。

 

「片付け習慣を身につける」というボタンを押し続けてみる。

あなたが片付けをできなかった日というのは、たまたま片付けができなかっただけなのではないでしょうか。

それをつい「もう片付け習慣は身につかないんだ」と考えがちです。

それはあなたが悪いのではなく、単純に人はそういう習性を持っているというだけのこと。

片付け習慣を身につけた人たちだって、最初から今まで1日も欠かさず片付けをしてきたとは限りません。

片付け

kou / PIXTA(ピクスタ)

そして「1週間くらいできなかったけど、今日はやってみよう!」と、何度もチャレンジしてきたのかもしれませんね。

散らかった部屋の中で、あなたの目の前に用意された「片付け習慣を身につける」というボタン

スイッチ

Graphs / PIXTA(ピクスタ)

もしかしたら、昨日までの「片付け習慣は身につかない」というボタンと入れ替えられてるかも。

今日のボタンは効果があるのか、押してみるまで分からないと思いませんか?

 

【参考】

※ マーティン・セリグマン『学習性無力感―パーソナル・コントロールの時代をひらく理論』