「自分へのご褒美」は本当に効果ある?心理学を応用した片付け習慣・その11
「今月は頑張ったから、自分へのご褒美に新しいバッグ買っちゃお!」
というシチュエーションを、あなたも経験したことがありませんか?
片付け習慣についても、モチベーション維持のために「自分へのご褒美」を設定している方もいらっしゃるのではないでしょうか。
よく耳にする、「自分へのご褒美」という方法。これは心理学的に見て効果があるのでしょうか?
「自分へのご褒美」で幸福度はどのくらい持続する?
オランダにあるブレダ応用化学大学にて、ジェーレン・ナウィンという研究者が興味深い発表をしています。
旅行を計画している被験者を対象に、旅行前から旅行後にかけて「どれくらい幸福度を感じているか」を調査しました。

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通常、私たちは「楽しい経験をするため」「満足感を得るため」に旅行に出ます。
ということは、「旅行のあとの方が、幸福度も高く長続きする」と考えたくなります。
しかし研究によると、一概にそうとも言い切れないということが分かったのです。
人間は忘れっぽい?幸福度も例外ではない
旅行前後の幸福度調査では、以下のような結果が得られました。
- 計画段階では平均8週間、幸福度が高い状態が続く
- 旅行終了後にはすぐに幸福度が元に戻る(最長でも2週間しか続かない)
なんと、旅行から帰ってきてしまうと幸福度はすぐに通常の値に戻ってしまうというのです。
それに比べると計画している時には平均8週間、2か月も幸福度が持続するということが分かりました。

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つまり「自分へのご褒美」は、「ご褒美自体を想像している時」がもっとも幸福度が長く続くということです。
これを、片付け習慣を身につけるためにうまく使うにはどうしたら良いでしょう?
思いつきのようなご褒美は無意味かも。ご褒美は計画的に。
毎日片付けを続けるのが辛くなる時もあるでしょう。

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そんな時には自分へのご褒美を設定してあげると、続けるモチベーションが維持しやすいのは確かです。
ただ一つ、注意点があります。
それは「あらかじめ計画しておく」ということ。
「なんだか最近やる気が出ないし、頑張ってきたご褒美にバッグでも買っちゃおうかな」では、意味がありません。
そのご褒美の幸福度は瞬く間に消えてしまい、モチベーションの維持には役立ちません。
せっかくご褒美を設定するのであれば、2か月先の予定に組み込んでみましょう。

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そうすれば、その間にも幸福度が高い状態が続いてモチベーションも高まるはずです。

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自分へのご褒美は、衝動的にではなく計画的に設定していきましょう。
【参考】