心理学を応用した片付け習慣

片付けの前に気合いを入れちゃダメ!? 心理学を応用した片付け習慣・その5

散らかっているお部屋にうんざりして、「ちゃんと片付けなきゃ」と思う時ってありますよね。そんな時、あなたならどうしますか?
「よし、今日から片付けをするぞ!」と意気込んで掃除用具を買いに行ったり、まずはインターネットで掃除方法を調べたり……。

でも、ちょっと待ってください!このように「やるぞ!」という心構えでは、作業の途中で挫折する傾向が非常に高いということをご存じでしょうか?

今日はアメリカにあるイリノイ大学の研究者、イブラヒム・シネイの実験により判明した意外な事実をご紹介します。

なぜ片付け習慣は身につかず、途中で挫折してしまうのか

床に散らかった週刊誌やホコリだらけの部屋を見て、あなたはすぐにでも片付けを始めたいかもしれません。

雑誌

Pinkomelet / PIXTA(ピクスタ)

しかし、片付けを日々の習慣として身に付けたいのであれば、少し落ち着いてください。

実は、これまで意識してこなかった習慣を身につけようとするときに、多くの人がやってしまいがちな行為があります。

それは「よし、やるぞ!」という気合いを入れる行為であったり、「わたしは必ずできる!」という自己暗示のような決意を固める行為です。

ところが、この「気合いを入れる」「決意を固める」という行為は、心理学的には無意味であることが実験により分かったのです。

 

決意の無意味さをあぶり出した、驚きの実験結果

イリノイ大学にて、イブラヒム・シネイ氏はアナグラム(文字を入れ替えて単語をつくる課題)を用いた実験を行いました。

英語テスト

タカス / PIXTA(ピクスタ)

被験者はAグループとBグループに無作為に分けられます。

  • Aグループ:「僕はやるぞ!」と気合いを入れて、決意を固めてもらいます。
  • Bブループ:自分自身に対して、ある質問をしてもらいます。

この2つのグループでは、なんとBグループの方が1.5倍も多く問題を解くことができたのです。

この実験により、「決意を固める」という行為が心理学的にいかに無意味かという結果が判明しました。

ではBグループの被験者には、一体どんな質問を自分自身に投げかけてもらったのでしょうか?

 

たったひとつの質問で、結果がまったく変わる!

実験で判明した事実は、もちろん片付け習慣を身につけるためにも応用できます。

そのためには、無理に気合いを入れる必要はありません。

ひとつだけ、自分自身に質問を投げかければいいんです。

その質問は、とても簡単。

自問自答

タカス / PIXTA(ピクスタ)

「わたしは、片付け習慣を身につけることができるだろうか?」という質問です。

 

ちなみに前述の実験で、問題を1.5倍多く解けたBグループが自分自身に問いかけたのは「僕はこの問題を解けるだろうか?」という質問でした。

一見したところ、なんとも気弱な感じがしますよね。

なぜ、このたったひとつの質問が効果を発揮するのでしょうか?

 

自分の脳から、最大限の効果を生み出す

その理由は、疑問形式の問いかけに対して人は反射的に「問いに対する回答」や「実行するための戦略」を脳内から引き出す性質があるためと考えられています。

つまり片付け習慣でいうと、このような流れです。

掃除準備

elise / PIXTA(ピクスタ)

「わたしは片付け習慣を身につけることができるだろうか?」という質問をした直後から、「いつ片付けるか」「どうやって続けるか」ということを脳が勝手に考え出すということです。

「気合いを入れる」「決意を固める」と行った行為では見えてこない、「現実的な手段」を考えるきっかけになるのが「わたしは、〇〇できるだろうか?」という質問なんですね。

片付け習慣を身につけたいあなたも、がむしゃらに意気込むより、ぜひこの質問を自分自身に問いかけてみてください。

きっと、良いスタートが切れるのではないかと思います。

【参考】

※ ダニエル・ピンク『人を動かす、新たな3原則』