防犯カメラは見ていた!フロント時代に目撃したマンション事件簿

近年になって防犯カメラは急速に普及し、マンションにおいては分譲、賃貸を問わずかなりの比率で設置されています。

それだけに宅配ボックスと並んで、防犯カメラはマンションの中でも最も技術的進歩のスピードが速い設備であるように感じています。

築10年以上のマンションになると防犯カメラもいろいろと故障が発生するようになりますが、それだけ経過していると修理では対応しきれず、システムをすっかり入れ替えるしかないという場面が大半でした。

マンションの防犯カメラ

shimanto / PIXTA(ピクスタ)

防犯カメラは警備会社のシステムやエレベーターと連動している場合もあり、またレンタルだの買い取りだのという問題も発生します。

筆者にとっては最後まで完全に理解するのが難しかった設備でした。

 

防犯カメラの閲覧にはルールがある

マンション内で何か問題が発生した場合には防犯カメラの映像を確認しなければなりませんが、この場合個人のプライバシーという問題が関わってくるため、誰でも見られるというわけにはいきません。

閲覧の可否や範囲に関しては、賃貸マンションの場合は意外と簡単で、管理会社の判断次第ということになります。

防犯カメラ

YNS / PIXTA(ピクスタ)

一方分譲マンションの場合はかなり厄介で「防犯カメラ運用細則」といった規定を設けている事例が大半です。

筆者がフロントをしていたマンションの場合は理事会(理事長)において判断するように規定されていました。

 

マンションの一室が振り込め詐欺グループのアジトに!?

パトカー

東北の山親父 / PIXTA(ピクスタ)

特に統計を取っていたわけではありませんが、防犯カメラ映像の閲覧は警察からの依頼で実施したという事例が一番多かったように思います。

近隣で事件があり、逃げる犯人の姿が映っている可能性があるというものですが、防犯カメラはエントランスのドアに通常斜め上から向けられており、前面道路はそれほど映っていないものです。

振り込め詐欺

UPSTART777 / PIXTA(ピクスタ)

それでもいいから調べようという警察の執念のようなものを感じたことを覚えています。

マンションの一室が振り込め詐欺グループのアジトとして使用されているという情報が警察から入り、防犯カメラを確認することによりメンバーの動きが判明したこともありました(直前にグループは逃走していましたが……)

 

防犯カメラの再生は、正直しんどい作業

駐輪場

YNS / PIXTA(ピクスタ)

理事長の代理というような立場で防犯カメラの映像を見たことは何回もありましたが、自転車置き場や駐車場で発生した問題の原因を突き止めるため、というケースが多かったと思います。

〇月〇日〇時~〇月〇日〇時の間という具合に問題発生の範囲を定め(大抵は2~3日)、その間の映像を早送りにしてひたすらモニターの一点を注視し続けます。

問題の場所で動きがあれば速度を通常に戻して見直し、何もなければ再び早送りにします。

一人で管理室にこもってひたすら画面を見続けるというのは、実に辛いものがありました。

 

画像を見ても意外とわからない

残業

polkadot / PIXTA(ピクスタ)

筆者がフロントをしていた時代の防犯カメラはまだそれほど画質が良くなかったため、たとえ映像を見返してみてもよくわからなかったという事例もよくありました。

説明しても信じてもらえないのですが、目を皿のようにして何度見返してみてもわからないものはわからないのです。

さんざん時間をかけたにもかかわらず、何もわからなかった時の虚しさというのは大変なものがありました。

 

マンションの理事長の子供が犯人だった!?

エレベーター

チンク / PIXTA(ピクスタ)

とあるマンションの理事会を管理室で開催した際、「最近エレベーターの前でオシッコした人がいる」ということが話題になりました。

防犯カメラにまだ残っているはずだと映像を再生すると理事長が一言「うちの子じゃねえか」……。

それまでワイワイガヤガヤしていた理事会の空気が一変し、そそくさと正規の議事に移行したことが印象に残っています。

管理員によると、翌日理事長が子供を連れて管理室まで謝罪に来たそうです。

筆者が不動産業界に転身した1997年にはまだまだ一般的ではありませんでしたが、防犯カメラは今ではマンションにおいては必須の設備となっています。

それだけ世の中が物騒になったということなのかもしれません。