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鶴間 正二郎鶴間 正二郎

壁芯とは?マンションの面積を計算する方法が2つあるはなぜ?を解説

今回は「壁芯」についてご説明します。読み方は「かべしん」とも「へきしん」とも読みますが、マンションにおいて部屋の広さを表す際に必ず出現する言葉です。

建物がまだ完成前の状態のまま、モデルルームを見て部屋を決めなければならないマンション特有のものであり、その段階では実際の部屋の面積ではない壁芯で表示されます。

その理由も含め、詳しく解説します。

マンションの部屋の広さには、内法と壁芯の2通りある

室内の面積

マンションにおける部屋の面積の表示の仕方には実は2通りあります。壁の内側の寸法で計算された広さのことを内法(うちのり)と呼びます。自分が使用することができる部分の寸法で計算するので、これが部屋の実際の広さといってもよいと思います。

一方壁芯は壁や柱の厚みの中心線の部分の寸法で計算した面積のことです。壁の厚みの半分が部屋の面積に含まれることになるため、実際の部屋の広さとは誤差が生じます。大雑把にいうと内法の方が5%くらい狭いとされており、壁芯で80㎡の部屋でも内法では76㎡くらいになってしまいます。

マンション販売時に示される資料にはすべて壁芯で表示される

マンションの床面積

マンション販売時に示される資料にはすべて壁芯で計算した面積が記入されています。

建築基準法においても床面積は「建築物の各階又はその一部で壁その他の区画の中心線で囲まれた部分の水平投影面積による」と定義され、建築確認申請をするときなどは壁芯面積で床面積を求めています。

実際に使用できる広さよりも水増しした感のある壁芯の面積を使用するのはなぜなのでしょうか。

部屋の実際の面積は、完成後でなければ測定できないというのが理由

図面

壁や柱の中心部の寸法を測定することは現実問題として不可能であるため、壁芯というのは図面上でしか計算できない面積です。

一方内法の面積を計算するためにはでき上がった室内で測定しなければならず、建物が完成しないと測定できません。

壁の厚さや天井の梁の形状が設計と違い過ぎ、支店長が買主に謝りに行ったという場面を2回ほど目撃したことがありますが、部屋の実際の寸法というものはでき上がってからでなくては測定できないものなのです。

登記簿には壁芯ではなく、完成後に測定された内法での面積が記載

建設中のマンション

マンションの場合、建物が完成するよりもはるかに以前からモデルルームを使用して販売活動が始まっています。

まだまだ建設中の段階ですから室内の寸法を測定することなどできないため、面積に関しては壁芯によるものしか提示できません。

実際の面積と異なる算出法が一般的に通用している背景にはこのような事情があるのです。

しかし登記簿には完成後に測定された内法での面積が記載されています。

50㎡前後の部屋を検討する際には注意が必要

マンションの図面

住宅にかかる税金の軽減措置などのなかに、「専有面積50㎡以上」※という条件を設けている場合が多々ありますが。

この場合の専有面積は登記簿謄本の面積である内法で計算したものを意味します。

内法で50㎡以上ということは壁芯では53~55㎡以上あることが必要ですので、50㎡前後の部屋の購入を検討する場合は十分に注意することが必要です。

※2021年度より40㎡以上に変更

画像/PIXTA