収納もフルオープン!「自分らしい生活ができる」ドイツ人カップルの家
友人でスペインの村に住むのカップル、ギャッツとバルバラ。ギャッツは今では退職していますが、まだ仕事をしていた頃にスペインに家を買ったとか。
ギャッツは大学では建築を学びましたが、広告会社に就職しました。1970年代の建築の主流は、無機質な四角い建物だったこともあり、建築の仕事にあまり興味が持てなかったようです。それでも好みの家を作ってみたいという気持ちが強くなり、古い家を購入しては、少しずつ自分好みに作り変えていきました。細い道の向こうにタイルの床を施した家が見えます。それがギャッツとバルバラの家です。
この家はもともと3軒の家をくっつけて住んでいます。そのため、やたら階段が多く、少し不思議な部屋割りになっている家です。こちらのお宅の魅力をご紹介します。
玄関にいきなり水飲み場!?
まず、玄関に入っていきなり水飲み場があるんです。
これはスペイン語ですとフエンテと呼ぶ、足を洗ったり、庭の水やりに使うための水道です。
なんでこんなものが!?
聞いてみると、もともと農家の人が建てた家だったので、庭というよりジャガイモ畑がある家だったためでした。
収納はいつ見られても大丈夫なつくり
玄関から庭に向かうとそこにはオープンなお風呂があります。その横にあるウォークインクローゼットもオープンで扉がありません。
どうしても隠す収納を考えてしまうのですが、オープンなままだと、例えば陰干しをしておきたい革製のバッグなども風通しが良いのです。
掃除用品を収納しているところにはもちろん扉がありますが、うっかり開けても大丈夫。それにしても、掃除用洗剤の種類が多いのには驚かされます。
適材適所の洗剤を使うと、労力が少なくてもきれいになるからだそうです。
こちらは食品貯蔵庫です。
庭にはマルメロ、梨、イチジクなどの木があるので、それらでジャムをたくさん作って貯蔵します。野菜類もハウスものは使わない主義なので、旬のうちにたくさん購入し、水煮にしたりソースにしたりします。
大きめのオーブンと食洗機があるシンプルなキッチン
キッチンはシンプル。シンプルですが、大きめのオーブンと食洗機。どちらも世界最高の品質ともいわれ、スペインでも人気メーカー、ドイツ製Miele(ミーレ)のプロフェッショナル仕様。
こういうところにこだわるのもドイツ人らしいです。そして、頑丈そうな薪ストーブは、冬の間はいつもお湯が湧いています。グツグツ煮るような料理はここで。
食堂とはこんな感じで繋がっています。
日本テイストものに囲まれた部屋
日本を意識したコーナー。こちらはコーヒーテーブルのそばにあります。
だから、コーヒーもちょっと日本テイストで。
そして、こちらも実は日本のアイディアを使っています。ドイツ人カップルの家は、3軒の家を合体しているため、階段が必要以上に多いのです。そのため、階段に本棚代わりに。
実はこれ、階段型の引き出しを日本の本で見つけて真似をしたのだとか。
モロッコで買ってきた照明器具。モロッコには毎年行ってます。
エスニックなもの、古い扉、モダンな家具類。カラフルなモンドリアンの家具。
モンドリアンの家具は、デザイン性だけではなく、機能性も充実しています。収納ができ、小さくまとまります。ピエール・モンドリアンは19世紀から20世紀にかけて活躍したオランダの画家。1930年に発表さらた「赤・青・黄のコンポジション」は、色々なもののデザインに利用されています。
女性なら、イヴ・サンローランのアイシャドウをご存じだと思います。そのような、キュービック派の絵画をそのまま使った家具が、不思議にこの古い家にマッチしていますね。
この家にあるものは、「好き」という共通項で集められたもの。もしかしてちぐはぐになるかもと、ついスタイルを統一してしまいがちですが、このように「好き」なものは、ハーモニーがあってうまくマッチしていきます。無理に統一していこうなんて考えない方がいいのかもしれません。
自分らしく生きると自分らしい生活ができる!
もちろん旅行も大好きなお二人ですが、どこに行かなくてもここにいて幸せを感じる場所=家であるべきだと考えています。自分らしく生きる=リラックスできる空間、それが家。窓から見える風景も大事な要素です。
「ライフスタイル」という言葉が自然に当たり前のように使える、家作りをしたいと思いました。