コーヒーかすをそのまま土に混ぜちゃダメ!自宅でできる良質な肥料のつくり方
最近は家庭菜園で野菜を育てる家庭も増えてきました。野菜の生育に欠かせない土づくりにも、このコーヒーかすの肥料が使えること、ご存じでしょうか?
ただ、コーヒーかすに含まれている窒素が土壌の栄養に必要な微生物の分解をシャットアウトするので、そのままコーヒーかすを土に混ぜるのはよくありません。
では、どうしたら家庭菜園でも使える肥料になるのか?コーヒーかすを利用した肥料のつくり方とポイントについて紹介しましょう。
コーヒーかすに腐葉土や米ぬかを混ぜて肥料づくり
発芽や発育につなげるコーヒーかすを使った肥料には、まず以下のような下準備が必要です。
下準備
- 段ボール:堆肥を発酵させるための容器、厚めの箱が望ましい
※今回の記事で使った段ボールの大きさは、横:36×縦:27×高さ:20cm - 新聞紙:2~3日分。段ボールの底に敷く
- 底上げグッズ:底部分の通気性をよくするために利用
※今回の記事では使っていない鉢を逆さにして利用 - 使い古したバスタオルや大判の布:肥料を作ったら上部分を雨などから入らないよう覆う
- 手芸用のゴム:紅白帽などの子ども向けの帽子で使っているゴム、箱に被せてあるタオルや布類を固定するために使うので、箱の周りの長さで用意
- シャベル
- 手袋
段ボールの底部分は肥料が出ないよう、両サイドとセンターにガムテープで貼ります。
下にこぼれないよう念入りに新聞紙を重ねます。
肥料の材料は以下のものになります。
肥料の材料
- コーヒーかす:1回当たり500gまで、コーヒーを淹れた直後に入れるとカビが生えるので乾燥させた状態で入れる
- 腐葉土:700g
- 米ぬか:500g ※腐葉土と米ぬかの割合は「5:3」が妥当
- アロマオイル:ラベンダーなど防虫効果のある種類→任意、アロマオイルがあれば混ぜるときに数滴入れる。
コーヒーかすで良質の肥料をつくるなら、配合と割合を把握しよう
コーヒーかすを使った肥料の材料は身近な場所で手に入れられるものですが、材料の割合も知っておくことで失敗しない肥料が作れます。
つくり方
- 設置した箱(※【下準備】を参照)に腐葉土と米ぬかを「5:3」の割合でよく混ぜる。
- 乾燥したコーヒーかすを1日あたり500gまで投入し軽く混ぜる。
- 混ぜ終わったら上部をタオルか古布で覆って、固定。風通しの良い場所と雨が入らない場所の2つの条件を選んで配置。
- 発酵を促すため毎日、コーヒーかすのゴミがなくても空気を1日1回取り込み、シャベルで混ぜることで発酵を促します。約3か月なるべく継続する。
バランスよく混ぜます。
開始日と混ぜた日はわかる場所にメモをしておきましょう。
発酵が進むと箱の中身の温度が上昇します。水分が多くなった、中身の温度が上がらない場合は米ぬかを大さじ1杯程度足し、乾いた状態の場合は少量の水を足しましょう。コーヒーかすを混ぜるときは1日500gまでに。
通気性のことを考え、箱の底と地面はくっつけないようにします。雨が入らないよう細心の注意を払います。
コーヒーかすを使った肥料の発酵期間は3か月かかる
コーヒーかすを使った肥料はつくってから約3か月が発酵期間となっています。発酵後、肥料を土に混ぜて土づくりをします。種や苗植えはそれからとなります。

YUMIK / PIXTA(ピクスタ)
当然のことながら3か月を経過すると季節も変わるので、その四季にあった種や苗植えを選びましょう。
コーヒーかすのほかの再利用法について

CORA / PIXTA(ピクスタ)
コーヒーかすは肥料や消臭目的として再利用されているだけではありません。ほかにも生活に役に立つものとしても再利用されています。
エコの先進国とも言われているドイツではコーヒーかすを使ったカップ&ソーサーを開発し、販売もしています。
腐葉土に植物の生育に不可欠な窒素やリン酸を多く含む米ぬかとコーヒーかを合わせ、風通しの良い場所に置き毎日混ぜることで、土の中にいる微生物の分解・発酵を促します。
そして、良質な肥料(堆肥)となるのです。
発酵に少し時間がかかりますが、できあがるまでのプロセスを楽しみながらコーヒーかすの肥料作りにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
【参考】
※「第2回食品産業もったいない大賞」コーヒーかすリサイクル(牛の飼料)の取り組み|農林水産省
※環境先進国ドイツ、未来への取り組み。|全日本コーヒー協会
※コーヒーかすの農業利用|神奈川県ホームページ
※段ボールコンポストのつくり方|小松市
※「コーヒーかす」をコーヒーカップに再利用|WIRED.jp