「今が買い時です!」仲介業者のセールストークはどう解釈するべき?
物件の見学後、仲介業者から「いま決めないと他で売れてしまうかもしれません」とか「他にも検討中のお客様がいます」などと言われたことはありませんか?
仲介業者がこのように言うのには、実はきちんとした理由があります。
そもそも不動産の「仲介」とは何か

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売買・賃貸にかかわらず不動産の仲介業者は、買主・借主と売主・貸主をつなぐ役割を担っています。
顧客がどんな売買・賃貸物件を求めているのかを明確化し、その情報提供・現地案内・調査、そして契約手続きから物件の引渡しまでの一切をサポートすることで「仲介料」を頂き、その収入が経営基盤となっているのが仲介業者です。
仲介業者に求められるもの

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仲介業者には「マッチング能力」が求められます。
買主・借主に対して仲介業者は、「在庫物件」のなかからその顧客が望む条件にもっともマッチングした物件を紹介します。
(不動産における在庫物件とは、ネガティブな印象の「売れ残り物件」という意味ではなく、今現在、「実際に検討可能な物件」という意味です)
また、売主・貸主に対しては、その物件価格・賃料が現在のマーケットに見合っているかどうかという「市場調査能力と提言」が求められます。
仲介業者が即決を促す理由

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前述したように、仲介業者はいま実際に取引できる在庫物件しか紹介しません。
仲介業者の立場になると理解できるのですが、仲介業者が勧める物件は「市場の在庫物件のなかで一番のお勧め物件」であり、それ以外を勧める理由はあまりありません。
つまり、仲介業者にしてみれば、条件の良くない物件を紹介して取引が成立しないより、在庫物件のなかでその顧客の要望する条件に最も近い優良物件を見つけ出し、その物件を紹介するのが取引成立の近道なのです。
そのため、今決断してもらえないとせっかく「吟味して選択した優良物件」が他に取られてしまうかもしれないため「即決」を促すのです。
「今決めないと他で決まってしまうかもしれない」は本当?

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仲介業者が扱う物件情報のほとんどは、市場で流通している情報です。
そのため、その物件情報は「タイムリー」にその他大勢が閲覧・検討しています。
ですので、本当にすぐ他で決まってしまうかもしれませんし、この後数か月に渡って決まらないかもしれませんが、仲介業者のセールストークで使われる「今決めないと他で決まってしまうかもしれない」は間違いではありません。
なにより、自分が気に入った物件は他の人だって気に入る可能性があるのは当然です。

Fast&Slow / PIXTA(ピクスタ)
仲介とは何かを理解すると、仲介業者のセールストークの意味もなんとなく分かってきます。
しかし、一番大事なのは自分がその物件に「ピンとくる」かどうかです。
セールストークに惑わされることなく、ぜひ「ピンとくる」住まいを見つけてください!