
何度言っても家族が片付けに協力してくれない……といった家や家族に関する、さまざまな悩み。
もしかしたら“風水”に解決のヒントが見つかるかもしれません。
風水コンサルタントの種市勝覺(たねいち しょうがく)先生が、あなたの悩みを、風水の観点から、解決します!
Q:夫が通勤に使う自転車を玄関先に雑に停めます。移動の邪魔になり、イライラします…

撮影 難波雄史
今回は「分かってもらえない」と「動いてもらえない」を別々に考えていくと整理しやすいかと思います。
不便を感じていることを「分かっていて」動けないのか、それとも「分かっていなくて(or 分かりたくなくて)」動かないのか、でケースが異なります。
何らかの協力を受け入れてもらえないケースには「伝えている内容」が問題なのか、「伝え方」の問題なのか?と考えた際、だいたいが「伝え方」(タイミングや言い方の不適切さ)に原因があったりします。

icestylecg / PIXTA(ピクスタ)
今のお二人はもしかすると、それぞれが正しいと信じているコトの押し付け合いのような状況なのかもしれません。
残念ながら、正論で相手を裁こうとしたり「何があっても自分の言う通りにしてほしい」と思うのは、どれだけ意見を伝えたところで和解には至らない、殺氣の関係となります。
一方、人それぞれ正しいと信じていることが異なりますので、違いを尊重したうえで、「理解しようとする姿勢を示しあう」ことが生氣の関係。そのキッカケをつくるのはまずは自分から。
生氣の協力関係になると、「すぐに行動!」とまでは至らないまでも「じゃあ、考えてみるね」と検討の余地が生まれてくるかもしれません。
共有空間はそれぞれの現状・優先順位をヒアリングしながら摺り合せを

JIRI / PIXTA(ピクスタ)
では、相手の正しさに敬意を示すとは、いったいどういうことなのでしょうか。
玄関の邪魔になる位置に自転車を置く理由については、もしかすると、ご主人様なりに置き場所を試行錯誤してみた結果、他に適当な場所がないからかもしれませんし、もしくは、考える「心の余裕」がないのかもしれません。
まずは相手の置かれている状況や考えを理解しようとすることが第一歩。

bee / PIXTA(ピクスタ)
そこで、相手に分かってもらえるか? 動いてもらえるか?は「どちらでもイイ」と心に決めた上で、こう切り出してみましょう。
「自転車の件、通勤に使っているわけだから玄関が一番便利だよね。急に移動してとか言われても、イヤだよね。何度もしつこく言ってゴメンね。ただ、どうしても入り口にあることで、通りにくかったり、不便を感じることがあるの。
今のままでもモチロン仕方がないんだけど、もし大丈夫だったら、せめて置き方の部分だけでも協力してもらえると助かるなぁと思ってて……。
今、どんな状況かだったり、このお話を聞いて感じているコトを聞かせてもらってもいい??」
その後、「話を聞いてくれてありがとう」また「考えていることを聞かせてくれてありがとう」と伝えた上で、調整案を考えてみる(もしくは今の状況をベストとして捉える)。
身内であるほどこういった配慮を省くようになりますが、相手に行動を起こしてもらうにはこれくらいは最低限の配慮。
そして氣持ちの上での信頼や協力関係が構築された後で「ムリだったらイイんだけど、実験的にアッチに置いてみるのはどうかなぁ?」と行動案を伝え続けてみることで、いつか玄関には置かない日がやってくるかもしれません。
壁に掛けてディスプレイした自転車。風水的には?

cba / PIXTA(ピクスタ)
最近ディスプレイとして自転車を飾る人が多いようですね。
これが風水的にいいか悪いかの基準は、動線上、安全か危険か?(ひっかかったり、落ちてきたりしないか?)あとは、清潔感があるかどうか?次第となります。
そのディスプレイを「いい自転車だな〜」などと家族全員が氣持ちよく思えるなら、遊び心があって、とてもよいかと思います。
しかしながら、もし「はぁ……明日も仕事かぁ……通勤かぁ……」というイヤな連想がおこるような象徴であれば視界には入らない方がオススメとなります。

Graphs / PIXTA(ピクスタ)
なにげなく物を置くのは無意識的に習慣化されているもの、それを変えるのはたとえ小さなことであっても実はオオゴト。
なので、厳しいルールとしてではく「なかなか変えにくいモノ」「うっかり、すぐに元に戻ってしまうモノ」として、移行期間をゆる~く設けたうえで、あたたかくそして氣長に取り組んでいただくとイライラもしにくいかと思います。
また、自分から相手の氣になっている習慣のコトを伝える場合には、逆に「私がなにげな~くしているコトで、不快なことってあったりする?」とヒアリングもし、まずは、自ら歩み寄ろうとする敬意の姿勢を示してからの相談・提案ですと、さらに有効的ですし「あなたのために動きたくなる」かもしれません。
心地いい家づくりのためにも、まずは丁寧なパートナーシップを心掛けることから。
快適な日々となりますよう、心より祈念しております!
(取材・文 門上奈央)