ヒートショックを防ぐ「海外の暖房事情」とは?

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もうすぐ2月。寒さも1番厳しくなり、出かけるのもちょっと憂鬱になる時期ですね。
そんな寒い時はやっぱりおうちでヌクヌクしていたい。
日本には、こたつや湯たんぽ、電気ストーブなどを付けて、場所単位・部屋単位で温かくするのが一般的。
海外でも日本と同じ様な暖房器具を使っているのでは?と思ってしまうけど、実は少し違うんです。
では、アメリカやヨーロッパの暖房事情をご紹介しましょう。
■家まるごと温めて、洗面所もポカポカ

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著者が以前住んでいた国イギリスを含む、多くのヨーロッパの国々では「セントラルヒーティング」というシステムを使って室内を温かくしています。
お家の1か所にボイラーなどを設置して、そこから各部屋に設置されたラジエータを通してお部屋を温かくするシステム。
洗面所を含む全ての部屋にラジエーターがあるから、家のどこにいても温かく、ヒートショックなども軽減されて、とても快適に過ごせます。

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ほとんどのお家ではこのセントラルヒーティングを使っているものの、イギリスではリビングに暖炉のスペースがあるのが一般的で、素敵な暖炉を持つことに憧れる人がとっても多いです。
そのため、インテリアとして電気式暖炉をプラスし、モダンで素敵なリビング空間を作っているお家もあります。
■環境にいい「ジオサーマルシステム」
アメリカでも、最も一般的なのがヨーロッパと同じ「セントラルヒーティング」。
暖炉はある家も多いものの、日本のようなヒーターや電気ストーブは一般的ではありません。

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また、アメリカと厳しい寒さで有名なカナダでは「ジオサーマルシステム」といって、地下水を利用するシステムもこの20年で一般的になってきました。
地下水の温度は1年を通してほとんど同じ。その地下水を利用して家の暖冷房や給油を行うシステムです。
その水は地下に戻り、再度使うことができるので環境にいいのも魅力的。日本でも少しずつ盛んになってきているようですね。
■とにかく着込んで耐えるメキシコ
著者が現在住んでいる国メキシコは1年中温かいイメージがあるけど、冬はきちんとあって、中央部や北部では東京の冬と同じくらい寒くなるんです。
メキシコでは日本のようなヒーターを使うことはなく、ほとんどのお家ではとにかくたくさん着こんで、冬を乗り越えます。
電気ヒーターや暖炉などがある家もあるにはあるのですが、メキシコの冬は短く、多くの人はすぐに暑くなると思っているのかも。
部屋や身体の一部を温めるものが多い日本の暖房に比べて、家まるごと全体を温める欧米の暖房システム。とくにこの時期はヒートショックの心配もなく、お風呂も玄関もトイレも全部暖かいのは嬉しいですね。
メリット・デメリットはあるものの、今後ますます増えてくるのではないでしょうか。