心理学を応用した片付け習慣

やる気をなくす目標の立て方がある!? 心理学を応用した片付け習慣・その15

片付け習慣を身につけるうえで、とても大事なことは「継続すること」です。

ところが、なかなか長続きしないという悩みを持った方も多いのではないでしょうか。

今回は、そんな方に知っておいてもらいたい心理学の知識をお伝えします。

「どうにでもなれ効果」って!? これは立派な理論です。

トロント大学の心理学者であるポリビー・ジャネットは「The What-The-Hell Effect.」という理論を発表しています。

日本語に訳すと「どうにでもなれ効果」。なんとも軽妙なネーミングですね。

しかし、これも実験に基づく立派な理論です。どのようなものなのか、ご説明しましょう。

 

ダイエットの意志を挫折させる、「どうにでもなれ効果」の恐ろしさ。

「クッキーの味を評価する実験」と称して集めた被験者を、3つのグループに分けます。

そして、各グループに実験開始前にピザをふるまいます。

  • Aグループ…ダイエットをしていない(普通の大きさのピザ)
  • Bグループ…ダイエット中(普通の大きさのピザ)
  • Cグループ…ダイエット中(A、Bグループより大きく見えるピザ)
ピザ

june. / PIXTA(ピクスタ)

実はピザの容量自体は全員同じなのですが、Cグループだけ大きく見えるピザを渡します。

その後、クッキーを食べてもらいます。すると、各グループでクッキーを食べる量に違いが見られました。

クッキー

ささざわ / PIXTA(ピクスタ)

被験者には「味の評価について調べる」と言っておきながら、実際は「どのくらいの量を食べるか」を測る実験だったのです。

 

むしろダイエット中だからこそ、こんな結果に。

A、Bグループに比べて、Cグループの被験者は平均1.5倍もの量のクッキーを食べてしまったのです。

ダイエットをしていないAグループよりも、ダイエット中であるはずのCグループの方がたくさんのクッキーを食べてしまいました。

クッキー

muu / PIXTA(ピクスタ)

これは「カロリーを抑えなきゃ!」と考えていたCグループの被験者に、「どうせ大きなピザを食べちゃったし、今日はもう好きなだけ食べちゃえ!」という心理が働いたためだと考えられています。

まさに「どうにでもなれ効果」という名に相応しい結果が出てしまいました。

 

「どうにでもなれ効果」は防げるの?有効な目標の立て方とは。

「どうにでもなれ効果」が起こりやすいのは、「何かを抑制する目標」であることが挙げられます。

たとえば、片付けに対してこのような目標を立てていませんか?

  • 小さなゴミでも、そのまま放置してはいけない
  • デスクの上に、書類を出したままにしてはいけない
  • 片付けをする前に、テレビを見てはいけない

これらの目標も、うまくこなせているうちはまったく悪いことは起こりません。

しかし、「しまった! できなかった……」という時が問題です。

ゴミや書類が少しでも片付けられなかっただけで、「あぁ、もういいや!」となってしまう。

掃除できない

A_Team / PIXTA(ピクスタ)

テレビを見はじめてしまったら、その時点で「今日はもう無理!」と考えてしまう。

テレビを見る主婦

プラナ / PIXTA(ピクスタ)

これが、「どうにでもなれ効果」の怖いところです。

 

「〇〇する」という、能動的な目標設定に切り替える

まずは、目標設定の仕方を見直してみましょう。

前述の目標は、以下のように言い換えることができます。

  • 小さなゴミは、見つけたらその場で拾う
  • デスクの上は、何もない状態にしておく
  • 片付けが終わってから、テレビを見る(テレビを見たら、片付けをする)
ゴミ

Graphs / PIXTA(ピクスタ)

「何かを抑制する目標」は、達成できなかった瞬間にすべてが台無しになってしまいます。

しかし「〇〇をする」という目標は、たとえその場で達成できなくても、まだ挽回できるチャンスがあります。

片付け習慣を身につける時には、「〇〇をする」という能動的な言葉で目標を立ててみてはいかがでしょうか。

 

【参考】

※ ケリー・マクゴニガル 『スタンフォードの自分を変える教室』