約80%が100歳まで生きたくない!「人生100年時代」への備え方って?
世界一の長寿社会である日本。
政府はそんな人生100年時代に向けて、子育て支援、幼児教育・高等教育の無償化や、教育の整備、そして高齢者雇用の促進などの構想を掲げています。
ところで100歳まで生きることについて、みなさんはどのように捉えているのでしょうか?
今回は“長生きすること”(人生100年時代)についてのお話です。
若い世代ほど“長生き”にポジティブ?
あなたは、老後の生活が楽しみですか?
アクサ生命保険株式会社が20代〜60代の男女1,000人を対象に実施した、「人生100年時代に関する意識調査」によると、老後の生活を「楽観的に見ている」が38.9%。「悲観的に見ている」が61.1%。
半数以上が老後の生活について何かしら不安を抱いているという実態が明らかになりました。

elise / PIXTA(ピクスタ)
しかし、年代別でみると他世代はすべて30%台にとどまっているのに対し、「20代」においては老後の生活を楽観的にみている割合が47%。
老後を想像しにくい年代なのか、それとも目まぐるしい時代の変化の中で育った世代だからでしょうか?
若い世代ほど時代に適応していく姿勢が垣間見える結果となりました。
長生き=リスク!?「100歳まで生きたい」人は少数派
若い世代ほど老後の生活をポジティブに捉える傾向があることが分かった今回の調査。
では、”長生きしたい”と考えている人はどれくらいいるのでしょうか?
「あなたは100歳まで生きたいと思いますか?」
78.8%が「100歳まで生きたいと思わない」と答えています(「あまりそう思わない」41.9%、「まったくそう思わない」36.9%の合計)。
100歳まで生きたいと答えた人は、21.2%と少数派。

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「できれば長生きしたいけれど、100歳までは生きていたいと思わない」と筆者もそう思います。
長生きすればするほどお金もかかる、医療費も増える、車が運転できなくなり生活が不便になるかも……。
不安を挙げだしたらきりがありません。
実際に、調査対象の男女の約80%が、長生き=リスクであると答えており、以下が長生きの3大リスクとして挙げられています。
- 身体能力の低下
- 収入の減少(賃金不安)
- 年金制度
先の調査で老後の生活をポジティブに捉えていた若い世代も、長生きすることに対し漠然とした不安を抱いていることがこの調査で見て取れます。
老後をポジティブに捉えるカギは「備え」にあり
老後の不安やリスクを軽くするためには、当たり前ですが「老後に備えること」が必要です。
多くの人が「資産(お金)の備え」を思い浮かべると思いますが、病気にならない身体づくり、食生活の改善、あるいは将来孤独にならないためにも近隣住民といい関係を築いていくことも備えの一つかもしれません。

プラナ / PIXTA(ピクスタ)
このように老後の不安が漠然としている分、備えることも漠然としています。
しかし、この「老後の備え」。
備えることで、「生きていく意欲」が増えるという面白い結果が出ています。
何と自身の老後を「備えられている」と答えた人のうち、実に42.7%が「100歳まで生きたい」と回答。
一方で、「備えられていない」と回答した人のうち83.1%が「100歳まで生きたいとは思わない」と回答しているんです。

ミック / PIXTA(ピクスタ)
そもそもは老後の不安を軽減するためであろう老後の「備え」が、”100歳まで生きたい”という意欲に発展するとは大変興味深い結果であると思いませんか?
定年になってから、100歳までは約30~40年……。
老後のための「備え」があれば生きる意欲は2.5倍になります。
そして「老後の備え」は人それぞれです。
今、できる「備え」から始めてみられてはいかがでしょうか?
【参考】