大家さん必読!「事故物件」への対応と備え

一般的に事故物件とは、何らかの事情でその物件内で人が亡くなったことによる心理的瑕疵(心理的に感じる何らかの抵抗、嫌悪感等)のある物件を指します。

もし自分の所有する物件が事故物件になってしまったらどうしたらいいのでしょう!?

もし事故が起きてしまったら:自殺などの場合

Brunch / PIXTA(ピクスタ) ※写真はイメージです

入居者が自殺によって亡くなった場合、もし未払い家賃や内装等の原状回復費用が発生しているならば、その費用は保証人や相続人に請求することができます。

さらに、「自殺があった物件」になったことで入居希望者がなかなか見つからなかったり、賃料を減額せざるを得ない等の損害が出た場合、保証人や相続人に対して損害賠償請求をすることができます。

入居者は借りている物件に対して注意義務(その物件を善良なる管理者として注意して管理・使用する義務:民法第400条)を負うことから、入居者がその物件内で自殺などで亡くなった場合にはその注意義務に違反したことになるのです。

そして、その入居者が亡くなっている以上、損害賠償債務は保証人が負うことになります。

また、入居者が死亡しても賃貸借契約は即座に消滅せず、亡くなった入居者の権利(借家権)や財産は相続人に引き継がれます。

つまり、損害賠償債務も相続人に「相続財産として」引き継がれることになるのです。

このように、万が一の事故が起こってしまった場合は、保証人や相続人に損害賠償を請求することができますが、そのケースごとに判断が分かれますので、実際に事故が起きてしまった場合は専門家にご相談ください。

注意すべき点

セールストーク

sasaki106 / PIXTA(ピクスタ)

2020年4月1日に改正民法が施行され、保証人に関する規定が変わるのですが、これは不動産の賃貸借に関する連帯保証人にも関係します。

具体的にいうと、今後2020年4月1日以降の賃貸借契約には連帯保証人が保証する債務に「極度額」が明確に記載されるようになります。

これまでの契約条文では、連帯保証人の債務に上限を設けることはほとんどありませんでしたが、民法改正後は契約条文に「極度額を○○万円を上限として……」という一文が加わることになります。

そうなれば上記で示したような「損害賠償」までは請求できなくなる場合がありますので、2020年4月1日以降の賃貸借契約は「保証の極度額」に注意しましょう。

捺印

もとくん / PIXTA(ピクスタ)

また、相続人に損害賠償を請求する場合も注意が必要です。

そもそも相続人が相続を放棄した場合は、亡くなった入居者の権利(借家権)は引き継がれません。

その場合、損害賠償債務も引き継がれることが無いので損害賠償を請求できる相手がいなくなってしまいますのでここにも十分ご注意ください!

 

もし事故が起こった場合:自然死などの場合

中古住宅

TATSU / PIXTA(ピクスタ) ※写真はイメージです

自然死(病死、孤独死など)の場合、未払い家賃などがあれば保証人や相続人に請求できますが、損害賠償請求はほとんどの場合でできません。

損害賠償請求できるのは入居者に注意義務違反(過失)があった場合であり、自然死にはその「過失」があったとはいえないのです。

とはいえ、急激な高齢化を迎えている日本では、高齢者の孤独死がますます増えていくことが予想されます。

この様な状況を踏まえ、最近では賃貸経営のリスク軽減のために様々な保険会社が「孤独死保険」の販売を始めています。

孤独死保険とは?

自問自答

タカス / PIXTA(ピクスタ)

孤独死保険は、物件内で死亡事故(孤独死・自殺・犯罪死)が発生した場合に、そのお部屋の原状回復費用(遺品整理、清掃、消臭、汚損等)や事故後に借り手がなく、空室になった場合の家賃損失(家賃保証保険金)を保証してくれるものです。

この保険には、孤独死保険として独立した商品や、火災保険の特約として孤独死に対応する商品など色々な種類があります。

賃貸経営をしている、若しくは予定している人にとって、今後この孤独死保険は自分の物件を守る大きなセーフティネットになりそうです。

アパート

ABC / PIXTA(ピクスタ) ※写真はイメージです

2020年の民法改正、相続人の相続放棄、高齢化社会など、賃貸住宅を取りまく環境は厳しさをましていきますが、関係する法律を理解することや孤独死保険などを活用することで、万一の場合に備えておきましょう!