境界トラブルは他人事じゃない!何度設置しても境界杭が抜かれてしまう理由とは??
決して他人事ではない近隣トラブル。
一口に近隣トラブルといってもその種類はさまざまです。
筆者が実際に体験した「事件」ともいえるトラブルの実例を紹介します!
境界トラブル?
土地の境界についてのトラブルはたくさんありますが、その中でも驚かされたのが「何度設置しても翌日には抜かれてしまう境界杭」のトラブルです。

HAKU / PIXTA(ピクスタ)
親から相続して現在は使っていない土地の売却が決まり、その土地の測量を始めたAさん。
隣接する土地の所有者Bさんに境界確認の立ち会いをお願いして、その立ち会い当日、AさんもBさんも終始にこやかに歓談しながら境界の立ち会い確認が完了。
その日のうちに土地家屋調査士によって境界杭が設置されました。
しかしその翌日、Aさんが土地を見に行くと、昨日設置されたはずの境界杭が抜かれて別の場所に放り投げられていたのです!
抜かれた境界杭

HAKU / PIXTA(ピクスタ)
「なぜ? 誰が? 何のために?」と、状況がよくのみ込めないAさん。
すぐに土地家屋調査士とBさんに連絡をとり、現地を確認してもらい、また前日と同じようにその場で境界杭が設置され、それぞれその場を後にしました。
数日後、不動産業者と共に現地を訪れたAさんは驚愕します。
なんとまた境界杭が引き抜かれ、放り投げられていたのです!
さすがに「なにかおかしい、ただのイタズラじゃない」と思ったAさんは、あらためて境界杭を設置してもらい、その日の夕方から「張り込み」を始めました。
犯人を突き止めるため、土地を見渡せる少し離れた場所に車を停め、犯人の登場を待ちます。
しかしその日は深夜2時を過ぎても犯人は現れず、Aさんは一旦その場を離れました。
翌朝6時、現地に戻ったAさんの目に飛び込んできたのは、またしても引き抜かれ、放り投げられた境界杭でした。
意外な犯人

GenauFoto / PIXTA(ピクスタ)
落胆するAさんの後ろから誰かが声をかけました。
声の主は近所に住むCさんです。
Cさんによると、なんと境界杭を引き抜いているのはBさんだとのこと!
驚きとともに憤慨したAさんは、すぐにBさんに連絡をとり、ことの真意を問いただしました。
するとBさんは、「なにも話すことはない」と、電話を切ってしまいました。
その後、Cさんや、近所に住む他の人に聞いたところ、Bさんは隣接するAさんの土地を購入したかったのに、自分に声をかけず他に売ってしまったAさんを恨み、その売買がうまくいかないように嫌がらせをしていたようなのです。
それ以降、境界杭が抜かれることはありませんでしたが、BさんはAさんの土地を購入した人が住宅を新築し、引越しをしてきた今もなおAさんを恨み、その引越しをしてきた人とも挨拶さえ交わさないそうです。
トラブル予防のためには

【IWJ】Image Works Japan / PIXTA(ピクスタ)
隣接者とのトラブルは、こちらが意図しないところで起こる場合がありますので、近所の人や隣接者との挨拶などは積極的に行い、できるだけ意思疎通を図ることがトラブルの軽減につながります。
ただ、努力をしてもすべての近隣トラブルが未然に防げるわけでもありません。
もし近隣トラブルが起こってしまったら、まずその「原因」が何なのかを知り、問題解決の糸口にしましょう!