断熱が不十分だと家はどうなる?省エネと断熱のすすめ~セミナーに参加して分かったこと

今年は連日の猛烈な暑さが続いており、先日ついに熊谷市で41.1度という日本の観測史上最高気温が更新されるというニュースが流れました。

先日ちょうど、「個人向け不動産コンサルティングサービス」 のパイオニアであるさくら事務所さん主催「断熱に関するセミナー」に参加してきました。
今後、住宅でも2020年には省エネ基準の義務化されます。ここでは、その概要と断熱がとっても大切な理由についてレポートします。

2020年の省エネ義務化問題

熊谷

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東日本大震災以降日本ではエネルギー需給の逼迫化が進行しています。

産業や交通といった分野で省エネが進行する中で建築物部門のエネルギー消費量の増加が続き、ついに全体の1/3を占めるまでになってしまいました。

そのため2014年にエネルギー基本計画が閣議決定され、2020年までに新築住宅や建築物において段階的に省エネルギー基準への適合が義務化されています。

 

省エネ基準の義務化

室外機

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建築物では空調や冷暖房・換気・照明・給湯といった項目でエネルギーを消費しています。

そのため省エネを推進するためには建物の断熱性能を確保し、効率性の高い設備を導入することが必要となります。

現在の省エネ基準は2013年に制定されたもので、非住宅建築物に対してはすでに2014年4月から完全施行されています。

住宅に関しては強制力がない状態でしたが、2020年からは義務化されます。

 

多くの住宅が既存不適格となる

リフォーム

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住宅の省エネ基準は1980年に制定されて以来段階的に強化が繰り返されてきましたが、どの基準も満たしていないという住宅が現在でも意外と多いようです。

そのため2年後に多くの住宅が「既存不適格」という状態になることが予想されており、今後自宅のリフォームを予定している方は断熱についても考慮する必要があると思われます。

 

既存不適格になるとこうなる

たとえ既存不適格建築になったとしても、適法に建てられた建築物であるため違法建築でも欠陥建築でもありません。

しかし確認申請の必要なリフォームや建て替えをする時には、現在の基準に合わせる必要が出てきます。

また資産価値という点でイメージが悪くなることがあるかもしれません。

 

断熱がとっても大切な理由

環境省が推奨しているエアコンの設定温度は28℃ですが、室温が設定温度になるかどうかは断熱性能次第であり、不十分な住宅ではたとえ25度に設定しても室温が30℃以上になってしまうことはよくあります。

断熱材の厚さで室温が変わる

断熱材
断熱は通常屋根や壁の内側に断熱材を敷き詰めることで実施します。

時代の経過とともに断熱材に性能も向上してより厚くなり、また湿気を防止するためにビニールで覆われるようになりました。

屋根裏サーモグラフィーカメラ
断熱材の厚みの違いがいかに室温に影響するか、サーモグラフィーカメラを使うと一目瞭然です。

 

瓦葺きは断熱に有効

瓦

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日本の住宅において瓦葺きはどんどん減少しているように思えますが、実は瓦は熱容量が大きく優れた断熱性能をもっているのです。

さらに瓦葺きの場合瓦の間に隙間があることから自然な通気性があり、屋根裏の適度な換気を促します。

瓦屋根は重いことがネックとなっていますが、その点を除けば理想的な建材であるということができます。

 

断熱が不十分だとどうなる?

断熱が不十分な住宅では、室内で結露が発生しやすくなります。

それによりカビが発生して時には健康被害を起こすことはよく知られていますが、怖いのは普段目にすることがない天井裏です。

屋根裏
結露によって発生した水を木材が吸い込み、屋根裏がボコボコ状態になってしまうこともあるのです。

住宅にとって断熱というのは大変に重要なのです。

今回のセミナーでは築40年の木造戸建てを改造して要所要所をスケルトン状にした研修施設で実施され、普段は立ち入ることができない天井裏も見ることができました。

断熱材
断熱材の有無や仕様の違いによる温度差は驚くほどで、実物を見ることの大切さを改めて感じさせられました。

暑さ対策として具体的にどのようなものがあるか、これについては次回ご紹介します。

【取材協力】 さくら事務所