こんにちは。新宿に注文住宅を建てて暮らしている鳥と申します。
納得いかないことばかりの建築条件付きの家づくりに最後までジタバタし、設計はほぼ完了の段階まできた鳥夫婦でしたが……。
ヤメテ監理
建築士は「設計」だけではなく「監理」という重要な役割も担うとのこと。
現場をチェックしたり、重要な箇所の写真を提出させたりして、自らが設計した図面通りに施工業者に建てさせるよう働きかけるのだそうです。
保奈美さん(40代半ばだと思われる女性設計士さん)に
「あの、監理はやはり保奈美さんが?」
と聞いてみたところ、
「Yes」。
……。
鳥夫が心配して、「建築業界ってちょっと荒っぽいというか、怖い男の人が多い印象があるのですが、女性の保奈美さんが監理ってやりづらくないんですか?」と聞いたところ、
「逆に女の方が可愛がってもらえるというか、”お願いしますよー”って頼めばうまくいきやすいところがあるので、逆に言うこときいてくれるんですよー(笑)」
と、珍しく女を出した四十路の保奈美。
直後に恥ずかしくなったのか、デコルテがピンク色に染まるのを、鳥は見逃しませんでした。
普段だったら、恥じらった熟女がほんのり肌を紅潮させる風情に「うぅ~ん、艶っぽいじゃ~ん、ヒューヒュー!」ともてはやす鳥ですが、この状況での保奈美さんには残念さしか感じませんでした。
ある日の打合せで、それとなく鳥夫が「保奈美さんは、注文住宅の設計とかもされるのですか?」と聞いたところ、
「私は建売しかやったことないんですよねー」
というご回答……。
本当に申し訳ないのですが、「私が設計した家」「自分の作品」とプライドを持って仕事しているようには見えない保奈美さん。
監理などという、施工業者を巻き込み・手綱を締めて・しっかりとした施工へと持っていかせる、という気力のいる仕事を、保奈美さんができるのでしょうか?
ヤメテ工務店
監理に期待できないとなると、施工T社が
「監理の眼などなくても、実直で真面目な仕事をするさ!」
という矜持を持った工務店であることに期待するしかないのですが……。
コンサルさんは最初からおっしゃっていました。
「T社は、本当の注文住宅を建てられないと思いますよ」
規格住宅のみ繰り返しているようだから、多様な建築士の設計に柔軟に応えられる技術力はないだろうとのこと。
さらにコンサルさんは施工T社のホームページや業界の評判も調べてくれて、
「ほら、ここを見てください。これこれこうでしょう?
T社自身は施工しないでしょうね。T社からどこかの孫請け工務店に丸投げされるんですよ。
そしてね、通常、孫請けに丸投げされた場合は……」
などと、懸念される施工の問題について教えてくれました。
そして「良い工務店とはどういうところか」についても、いろいろ教えてくださいました。
新宿くん(※土地)への執着
「設計面だけではなく施工面までも不安だらけか……」
ここまでマイナス要素が出揃っても、まだ新宿くんの足元にしがみついてしまう鳥夫婦。
実は、新宿くんと出会った後も、他の仲介業者さんには黙っていました。
建築条件を白紙解除する可能性も考え、引き続き土地情報を送ってもらうために。
しかし新宿くんを知ってしまった後では、全く魅力を感じない土地ばっかり……。
笑えるのは、新宿くんの契約をした数週間後に、同時分譲の南向き角地の情報が来たこと。
「まだ土地さえ未分譲の段階で、仲介Y社から情報をもらって、半地下ではないし500万円以上安かった一区画を契約済みですよ……」
とは言えず、適当な理由をつけてお断りしました。
(営業さんは「すごくオススメの非公開物件なんですよ!」と渋っていました)
「こんなに希望通りの土地には、もう出会えない気がする……」
そう思うと、とても新宿くんを諦めきれませんでした。
もしかしたら読者の方々には、鳥夫婦が、家づくりにこだわりがあるように見えているかもしれません。
でも単に「心配性」で「コスパにうるさい」性格だからジタバタしているだけであり、
そもそも鳥夫婦の価値観は「土地(立地)>家」であり、「上物は消費財であるコスト」という認識です。
西新宿に惚れ直してしまった今、ここまで希望を裏切る家づくりでも、やはりこの土地を諦めきれなかったのです……。
(鳥)