親の介護で妻が「介護うつ」にならない方法6つ~いい嫁になってはいけない!
親を介護するのは長男の嫁の努め。
このような固定観念にしばられ、 “いい嫁”になろうとひとりで舅・姑の介護に勤しむ人は少なくないようです。
その結果、奥さんが体調を崩し入院することもあります。あるいは「介護うつ」になる人もいます。
そうならないために、介護に対して妻がどのように向き合えばいいのかご紹介します。
昔の日本では親の介護は嫁がするのが常識だった?
一昔前の嫁たちは、舅・姑の親の介護に明け暮れている人が多かったと思います。

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しかも、夫は仕事があるため介護は妻にまかせっきりで、夫の兄弟も口は出しても手は貸さないのが常でした。
現在はこれほどではないにしても、介護という重荷をひとりで背負っている介護者はたくさんいます。
こうした状況が続くと、ストレスが溜まって精神的に追い詰められます。
それが原因で「介護うつ」になる人も多いようです。
では、そうならないためには、どうすればいいのか。
答えは、「いい嫁」をやめること! ひとりで何もかも抱え込むことをやめること!
具体的な方法を6つご紹介します。
1.身内に「役割の分業化」を提案する
夫やその兄妹たちに、できるだけ介護に協力してほしいと伝え、役割の分担を持ちかけてみましょう。
ただし、彼らが直接介護してくれることは難しいでしょう。

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そのため、彼らができることを提案することが肝要です。
たとえば、炊事、洗濯、掃除、買物、見守りなど、手伝えることはたくさんあります。
目を離した隙に家を出て徘徊する認知症老人は多くいますので、買い物に行っている間だけでも、親を見ていてくれる人がいれば安心です。

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見守りは介護の中でも長い時間を占めますので、頼める人を確保しておいて損はありません。
2.子どもが手伝えることはどんどんやらせる
夫が無理なら子どもに頼みましょう。
子どもだって中学生にもなれば、お年寄りの話し相手くらいはできるはずです。

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認知症という病を肌で感じ、どのように接するとよいかなども分かり、生きた教育の場になります。
思いやりのある大人に育ってほしいと願うなら、介護に協力してもらうことで大きな効果が期待できます。
子どもに介護させるのはかわいそう、などという人もいますが、お年寄りを直接介護するのではなく、「介護者である祖母を助ける」ということです。
それによって少しでも介護がしやすくなれば、子どもも介護に参加していることになると考えられます。
介護や認知症の教育がまだまだ遅れている現状において、家庭での経験はとても貴重といえます。
3.身内がだめなら「介護ヘルパー」など外部に協力者を求める
身内の協力が無理なら、介護ヘルパーに協力を要請することもできます。

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現在は介護保険制度によってヘルパーも低料金で利用できるようです。
昼間はデイサービスに親を預けることができます。
用事がある時や外出時など、一時的に介護ヘルパーにお願いすることも考えておきましょう。
ヘルパーは見守り、食事づくりや食事介助、掃除、洗濯、買い物などいろいろな依頼が可能です。

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時間単位で価格が設定されているので、無理のない範囲でお願いすると良いでしょう。
4.負担が大きくなったら施設に入所させることも
誰も介護に協力してくれず、ひとりで24時間がんばるしかない状況は異常です。
最悪の場合、双方が共倒れになるか、介護放棄、介護離婚といった事態に陥ることも考えられます。
介護は嫁がするものと思い込んでいる男性は、いつか痛い目にあうと思っていたほうがいいでしょう。
誰の協力も得られないようなら、介護施設への入所も考えておくべきです。

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価格的には「特別養護老人ホーム(特養)」や「グループホーム」が手頃です。

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すでに定員を満たして空きがない施設も多く、予約だけでもしておくことをオススメします。
5.親と同居する前に、必ず夫婦で介護について話し合う
こうした問題は親と同居する前に、夫婦でよく話し合っておくことが大切です。

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親が認知症になって自宅で介護が必要になった場合、家族の誰が中心になって介護し、誰がどの程度協力してくれるのか。
たとえば休日は妻に代わって夫が介護する、子どもは買い物や掃除を手伝う、徘徊して事故にあっても誰かを責めたりしない、など。
本来なら家長である夫が率先して話し合う問題だと思われます。
6.一番大切なのは、些細なことでも介護をひとりで抱え込まないこと
介護や認知症を経験している人はたくさんいます。
同時に情報もインターネットや新聞、雑誌などで簡単に得ることができます。

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行動すれば助けてくれる人や組織、制度は必ず見つかるでしょう。
最後にもう一度言います。大切なのは、介護をひとりで抱え込まないことです!
どんな些細なことでもです!

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できるだけ協力者を確保して自分の負担を軽くし、介護者も要介護者も快適に過ごせるよう心掛けましょう。