一級建築士に聞く

一級建築士に聞く!「階段」で住まいは大きく変わる

上下階へ移動するための動線として階段というものがあります。

この場所のデザインは住宅の内部を演出し、さらにはその個性をかたちづくる部分が大きいと私は考えています。

階段が住宅空間を決めると言っても過言ではないと思います

このことは十年以上住宅設計の仕事に携わり、建築写真を撮られているカメラマンの撮影に立ち会ったり、自分で住宅の写真を撮影していて気がつきました。

特にそれは狭小住宅であればあるほど感じます。

といいますのも、たとえば狭小3階建て住宅だと、平面プランのパターンがだいたい決まってきます。

ですので、部屋同士の平面的な関係よりも階と階の断面的な関係が見せ場となり、そこに階段の存在が大きく関係してくることが多くなるのです。

さあ! 階段という存在に着目しながら住宅空間をいっしょに見ていきましょう。

鉄骨階段から生まれる開放感

クライアントがこういう階段がいいと見せてくださる画像のほとんどは、鉄骨階段であることが多いです。

鉄骨階段は木製階段よりコストが高くなってしまいます。

しかしながら、やはり部材が木材ほどゴツくはならないので、デザインに軽やかさが生まれ、よりその置かれた空間に開放感を与えることができます。

鉄骨階段

また木とうまく組み合わせることで、仕上げの美しさと強度をうまく融合させることができるのも強みです。

階段

上の画像のように、段板を木で仕上げ、支える部分を鉄骨とすることで階段に浮遊感が生まれます。

 

木製階段による一体的な意匠

もちろん木製でも工夫次第で鉄骨同様のとまではいきませんが、軽やかなストリップ階段が可能です。

階段のすきまから入る光がここちよいです。

木製階段

木はその材料なりに良い部分ももちろんあります。

木製階段

特に日本ではだいたいが木造住宅であることが多いので、より空間のしつらえとの一体感を出すことができます

階段と収納の融合

階段と収納との融合ですと、階段下を収納に活用しながらすっきり仕上げることも可能です。

 

動物のための階段もある

階段は人間だけのものでしょうか? 動物のための階段をつくりたい、といったリクエストにこたえた提案ももちろんしています

こちらは家具としても使っているのですが、飼っている猫ちゃんのための階段にもなります。

猫ちゃんのための階段

猫は高いところが好きですので、ここをとんとんとんと猫が歩いて上がっていきます。

高いところから、家族を気ままに見下ろしている姿がとてもかわいらしかったです。

家具から現しの梁をつたい、ロフトに行き、そしてロフトの階段を下りてまた家具の階段を上っている姿を見ていると、今度は猫のための家をつくってみたくなりました(笑)。

このように階段デザインによって住宅個性がよりいっそう引き出されます。

階段という存在を中心に住宅を見たとき、そこからどんな生活が派生するかを個性としてとらえなおすそんな住宅見方もまた面白いと思いませんか?

今度住宅を実際に見たり、雑誌などで見たときには、階段を中心にその空間をながめてみてはいかがでしょうか。