ハウスメーカーで二世帯住宅を建てる前に起きる多い悩みと解決法
家族のあり方も変化していき、最近では二世帯住宅も増えています。
ここではハウスメーカーに5年勤めた経験から、二世帯住宅を建てる前に多くの人が抱えやすい悩みや不安、その解消ポイントを解説します。
あわせて、うまくいくケース事例もご紹介。
二世帯住宅が増えた理由は「女性の社会進出による子育ての変化」「親の介護」などさまざまです。
それらを互いに支えるために二世帯住宅を検討する家族が増えました。
しかし、義両親と住むことは必ずしもうまくいくわけではなく、悩みや不満を抱えているケースも多くあります。
義両親と同居、どんな暮らしになる?暮らし方が変わる二世帯住宅の種類

千和 / PIXTA(ピクスタ)
二世帯住宅における、義両親との暮らし方は以下の3つです。
それぞれのメリットと実際の暮らしなどの本音も見てみましょう。
完全同居型

EKAKI / PIXTA(ピクスタ)
個室以外、ほとんどの生活空間を共用するタイプです。
コストはあまりかかりませんが、生活となると気を使う部分もあるそうです。
部分同居型

Fast&Slow / PIXTA(ピクスタ)
玄関やキッチンなどの一部を共用しつつも、リビングなどは分けるタイプです。
玄関などは、どの程度のスペースをお互いに使うのかを遠慮してしまいがちになるそうです。
完全分離型

千和 / PIXTA(ピクスタ)
義両親との生活空間を完全に分けた暮らし方です。
生活リズムがほとんど異なる義両親との生活ですから、完全に分離することで相手を気にせず済むようです。
二世帯住宅を建てる前、実際に多い悩みや不満

U-taka / PIXTA(ピクスタ)
1.光熱費の支払いの不満

Naoaki / PIXTA(ピクスタ)
家を建てると、ほとんどの方は住宅ローンを組むでしょう。
月々の負担が増えるため、毎月支払う水道、ガスなどの光熱費についてもシビアになります。
そんな中、二世帯住宅で義両親との共同生活において、光熱費について話し合えていなかったり、なかなか言えずにうやむやにしてしまったことで、不満が募っていくケースがあります。
今後ずっと支払っていく光熱費ですから、事前に話し合うか、義両親であるがためになかなか言い出せない場合は、夫もしくは妻に相談して言ってもらいましょう。
2.部分同居型にしたが、それに対する不満
二世帯住宅では敷地が十分に確保できて、コストもかけられるのならば、完全分離型にしたい方が多いでしょう。
ですが、なかなかそれが難しい方もおり、一部を共用スペースにします。
多いのは玄関とキッチンと水回りです。

YUMIK / PIXTA(ピクスタ)
生活スタイルやリズムがそれぞれの世帯で異なりますから、どこを共用しても息の詰まるような気分になってしまうケースが多いです。
例えば玄関を例に出すと、収納部分がどちらかの世帯の物で占領されてしまったり、または逆に占領してしまうことを気遣ってしまったりと快適に暮らせなくなる恐れがあります。
言いにくいことでも、暮らしてから不満を抱いたり、もめ事が起きるよりも事前に確認しておく必要があります。
3.建築費の支払いの割合

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どちらがどれだけ支払うか細かく話し合っていないパターンです。
子世帯がほとんど支払うパターンや義両親が資金を一部援助するパターンもあるでしょう。
支払いで不満が出る多くのパターンは、義両親が打ち合わせにて、知らず知らずのうちに最新設備を入れたり、窓を大きくしたり増やしていたりして、コストが上がっているパターンです。
子世帯はそれを否定しにくいため、我慢してしまうケースが多いです。
設備や建具など金額が増えそうな打ち合わせの際に一緒に打ち合わせをして、確認するのがオススメです。
4.友人やママ友を呼ぶのに遠慮してしまう

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自宅に頻繁に友人を招き入れる方は、話し声などの騒音で義両親に気を遣ってしまうケースがあります。
二世帯住宅にしてからできなくなってしまっては不満が溜まってしまいますよね。
こちらも一緒に住む以上、事前に理解してもらうことが必要です。
5.義両親から干渉されてストレスを感じる

Fast&Slow / PIXTA(ピクスタ)
いくら完全分離型の二世帯住宅にしても、一つ屋根の下に暮らしているわけですから、お互いの暮らしを監視しやすい面もあります。
特に多いのが、子どもができてからの義両親からの干渉や口出しです。
夫婦2人とも家を留守にしなければならないときなどは、すぐに頼めるので助かりますが、普段の暮らしも干渉されてしまうと不満の原因になってしまいます。
直接言いにくかったら、遠慮せずに夫または妻に相談しましょう。
二世帯住宅で義両親と本当にうまくいくケース事例

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ここで義両親との生活が成功したケースをいくつかご紹介します。
1. 夫または妻がしっかりと仲介役になってくれる
本当の親ではなく、さらにパートナーの両親には直接言いにくいこともたくさんあるでしょう。
そんなときにしっかりと仲介役を引き受けてくれるパートナーだと、成功しているケースが多いです。
2. どんなに仲が良くてもガスメーターは別々にしている
義両親の理解もあり、事前にガスメーターを別々にする話し合いができている家族はあまりモメていません。
3.共用されたら困る部分や、共用せざるを得なくなってもお互いのスペースを決める
暮らし方は人それぞれですから、靴が大好きな人は玄関周りを占領してしまうでしょう。
そういった譲れない部分は事前に伝えておく必要があります。
4.家を建てるまでの打ち合わせは、一緒のときと別々の日を分けてする
ハウスメーカーで建てる場合は完成まで打ち合わせをします。
毎回別々で打ち合わせをしていると知らない間に色々な設備を入れてしまったりすることもありますし、反対にいつも一緒だとそれぞれの本音を担当スタッフに言えないこともあります。
スタッフに、分けたいときと一緒にしてほしい日などを事前に調整してもらいましょう。
5.お金に関することを事前に話し合う
費用はとても重要な部分です。どれだけ支払うのか、義両親が出してくれるのか納得するまで話し合いましょう。
まとめ

YUMIK / PIXTA(ピクスタ)
二世帯住宅の悩みや不満についてご紹介してきましたが、いかがでしたか?
事前に話し合うなど準備をしておかないと、どんなに仲の良い家族でも、もめ事に発展する恐れもあります。
不満は少しのキッカケから生まれてくるものなので、それをお互いにスルーせず、お互いの快適な暮らしのためにも納得行くまで話し合いをしましょう。