ただでさえ集中力がないときに、意味のない勉強法を試みても、それは逆効果というもの。
子どもが一生懸命に勉強に時間を割いているのに、なかなか思うように結果が出せないと、ますます勉強が嫌いになってしまいかねません。
効果の薄い家庭学習はやめて、短時間でも効果のある家庭学習を行うことが、2学期からの家庭学習には特に必要となってくる課題だといえます。
まずやるべきは「家庭学習の癖」を取り戻すこと
2学期がスタートし、学校やクラスの雰囲気にもすっかり慣れ、そろそろ家庭学習にも精を出してほしいと思っている親御さんたちはとても多いと思います。

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しかし親が抱く願いとは裏腹に、いまいち“夏休みボケ”が抜けきらず、家庭学習に向き合えないという子も多くいます。
事実、筆者が塾講師をしていたときは夏休み明けの授業での集中力が欠けている子が多く、授業が非常にやりにくいと感じたことを記憶しています。
まずは夏休みで崩れてしまった家庭学習を行う日課を確立し直すことが第一関門なのです。

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効果の薄い家庭学習とは?
効果の薄い家庭学習といえば、ずばり「ノートをキレイにまとめ直すこと」です。

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実はこれ、あまり効果がありません。
おそらく書き写す作業に夢中になり、授業の内容を思い出したり、答えを考えながらノートにまとめることをしないからというのが大きな理由でしょう。
キレイにノートをまとめ直して、それが点数に大きく反映された生徒は、筆者が知るなかにはいません。
ノートに文字が溜まることで、勉強をしたという満足感は得られるのですが、はっきり言ってそれだけなのです。
2つの改善策を試してみて
1.先生と生徒の一人二役で整理し直す

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ノートを書き写す作業が家庭学習として日課になってしまっているなら、そこにアレンジを加えましょう。
例えば、“ひとり授業をしながら、ついでにノートをまとめ直していく”というのであれば効果は期待できます。
“説明をする”という作業は、しっかりと理解していないとできないことです。
それを行うことにより、頭にインプットされている部分と覚えきれていない部分が浮き彫りになります。
覚えきれていないところを、復習としてノートにまとめ直すのはアリです。
2.問題を解き直す

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一度解いた問題を書き写して、もう一度解き直すというのもOKです。
もしくは、ワークやドリルを解いていくのも良いですね。もちろん応用編でなくても構いません。
基本的な問題だけをチョイスしてもいいし、基本と応用編を混ぜて解くのもOK!
まとめ
忘れるまでの時間と記憶の関係を表した「エビングハウスの忘却曲線」では、人は勉強しても48時間ほどで7割程度のことを忘れてしまうといわれています。
しかし再度、問題に挑戦すれば、記憶は上書きされます。

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ただ、どうしても流れ作業的になりがちな“書き写し”では、記憶の上書きがされず結局、忘れてしまうのです。
たしかにノートをキレイにまとめ直す家庭学習というのは比較的とっつきやすいのですが、その場しのぎにしかなりませんし、もっと言ってしまえば時間の無駄ということです。
ぜひ、お子さまの家庭学習の内容を考えるときの参考にしていただければと思います。