新丸ビルが8階から38階建てになった理由にも!建ぺい率と容積率って?

今回は建ぺい率と容積率についてご説明します。

先日あるテレビ番組で、アンジャッシュの渡部建さんが女性タレントと一緒に一級建築士の自宅を訪問し、建築のプロが自身の家はどのような考えで設計したかをレポートするのを見ました。

各分野に博学の渡部さんが共演者に容積率の知識を披露をすると女性タレントに「すごおーい!」と言われて、ドヤ顔するという演出が記憶に残っています。

建ぺい率と容積率は不動産において基本中の基本といってよいもので、坪数と平米数の関係とともに筆者が不動産業界に転身した初日に習った知識です。

「建ぺい率」と「容積率」ってなに?

一言でいうと土地面積の内でどのくらい建物に使えるかを示したのが建ぺい率延床面積の上限を示したのが容積率です。

分譲地

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例えば「面積100平米、建ぺい率60%、容積率200%」という土地に家を建てる場合、1階の床面積の上限が60平米で延べ床面積の上限が200平米です。そのためこのような土地では床面積が60平米の3階建ての家というのが最も無難です。

3階建て

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建ぺい率に関してはこれだけ知っていれば十分ですが、容積率についてはこれ以外にもいろいろと複雑な要素が絡んできます。

 

8階建てが建て替えで38階建てになった「新丸ビル」のカラクリ

容積率は都市計画上で指定された用途地域に応じて上限が定められています。

街並みというものをみていると一定のエリア内ではだいたい同じような建物が並んでいるのが通例で、周囲から突出したような建物というのはほとんど見ることがありません。

ビル群これは容積率や高さ制限というような規制がかかっているからであり、逆に言うと突出したような建物があった場合、容積率で何らかの優遇措置を受けている事例が多いと思います。

容積率が緩和されればそれだけ大きな建物を建てることができるようになります。

東京駅の目の前にある地上38階建ての新丸ビルは昭和27年に建設された8階建ての旧丸ビルを建て替えたものですが、特例制度を利用して3階建てである東京駅赤レンガ駅舎の余った容積率を譲り受けるといった内容の緩和措置により誕生しています。

新丸ビル

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容積率の計算から除外される「不算入」とは?

家の大きさに文字通り直結するのが容積率ですが、「不算入」という例外措置がいくつかあり、不算入の認定を受けた場合は延床面積の計算から除外され、その分だけ使える空間が広がります。

例えば住宅の天井裏は「高さが平均で1.4m以下」「直下階の床面積の50%以下」という条件を満たせば収納目的(居住用ではない)と認定されて延べ床面積から除外されます。

天井裏

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書斎や趣味の部屋、収納場所と使い方は様々ですが、このような空間があれば家の中は随分と広くなります(冒頭で触れたテレビ番組で渡部建さんがドヤ顔をしていたのはこの部分です)

屋根裏部屋

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「地上4階、地下5階」というようなマンションはなぜ出現した?

もう一つ重要なものに「住宅地下室の容積不算入」というものがあります。

住宅の用途として使用する地下室については、床面積の三分の一を容積率の計算から除外するというものですが、延べ床面積が販売住戸の数に直結するマンションにとってこれは重大なものがありました。

マンション

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建築基準法では不算入の対象となる地下室を「その天井が地盤面からの高さ1m以下にあるもの」と定義しています。

そのため例えば傾斜地に建てられた一見すると9階建てのマンションにおいて、一番上の地表面を地盤面とすれば「地上4階、地下5階」というような建物とすることが可能であり、延べ床面積の算定において大幅な優遇措置を受けることができます。

 

老朽化マンション増加に対する切り札でもある容積率

老朽化したマンションの増加に比べて建て替えが一向に進んでおらず、今後大きな社会問題となることが確実視されていますが、この問題を解決するための切り札とされているのも容積率の緩和です。

老朽マンション

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老朽化したマンションを買い取った業者は別の場所で建てるマンションの容積率を上乗せすることを認めるという制度の導入を東京都が決定しました。

買い取ったマンションを建て替える際に別の老朽化マンションを買い取れば、ここでも容積率の積み増しが可能となり、建て替え事業による利益が確保しやすくなります。

これにより多くの業者に老朽化マンション建て替えへの参入を促し、ビリヤードのように玉突きで建て替えが進むことが期待されています。

容積率がからむ様々な事項についてできるだけ簡単にご説明しましたがいかがだったでしょうか。

これだけ知っていればあなたも十分にドヤ顔ができるかも!?