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なんでも大家日記@世田谷

トイレが詰まったとき、試してみるべき3ステップ【なんでも大家日記@世田谷】

今回は「トイレが詰まってしまったときにどうやって対応したらいいか」を、うちのマンションの実例をまじえて3ステップに分けてお話しします。

トイレ詰まりは入居者が自力で対応しようとすることも多いトラブルです。

だれだって他人に詰まったトイレを見られたくないと思うでしょう。

ですが、マンションを管理する者としては、たとえ軽度の詰まりであっても、できれば相談してもらいたいと思います。

水道の配管はどこかで別の部屋ともつながっているため、もし一か所で深刻なトラブルが起きてしまうと他の部屋にも影響を及ぼしてしまう可能性があるからです。

やはりトラブルの芽は早めに摘んでおきたいものです。

1.やはり定番は「スッポン」とか呼ばれるあの道具

すっぽん

bj_sozai / PIXTA(ピクスタ)

では、実際にうちのマンションで起きたケースを見てみましょう。

「トイレが流れなくなってしまった」という連絡をもらって現場を訪れてみると、見事に詰まって便器のフチのちょっと下まで水がたまってしまっています。

当たり前ですが、汚物も流れずに水も汚い状態だったので、入居者の方は恐縮した様子。

こちらの設備の問題である可能性もありますから、まずは「こちらこそ、ご迷惑をおかけしました」と伝えて、詳しいお話を伺います。

聞くところによると、以前からどうも水の流れが悪かったらしく、たまにイヤな臭いがすることもあったそうです。

それでも、便器掃除用のトイレブラシで突っついてみればなんとか流れて解決していたのですが、今回はついに流れなくなってしまったとのことでした。

このトイレは、まだリノベーション工事をおこなってから数年のお部屋。

トイレ

ウォシュレットもついた最新式のトイレがもう故障したとは考えづらいのですが、実際にトラブルが起きている以上、原因うんぬんより、まずその場をなんとかすることが先決です。

トイレ詰まりに何度か対応した経験でいえば、トイレが詰まった場合、掃除に使うふつうのブラシを突っ込んだくらいでは、なかなか解消できません。

先端がデコボコ状のシリコンでできているタイプのもの

うちでは、こんなときのためにトイレ詰まりを解消するラバーカップ(スッポンとか呼んでいるアレ)を倉庫に置いてあります。

うちで使用しているのは、いわゆるカップ型のものではなく、先端がデコボコ状のシリコンでできているタイプのもの。

先端がデコボコ状のシリコンでできているタイプのもの

これは便器の排水管の形状に合わせて曲がるので、奥までしっかり届き、単なる詰まりであればけっこうな確率で解消してくれます。

今回も、これを便器の奥までつっこんで、何度もグイグイ動かすと見事に詰まりが解消されました。

入居者の方もホッとした様子で、一件落着と思われたのですが……。

 

2.わずか一か月で詰まりが再発!次の対応策は水量の調節

一か月ほどして、またトイレが詰まってしまったという連絡がきてしまいました。早速、ラバーカップを持って現場に向かいます。

しかし、今度の詰まりはかなり手ごわく、何十回もラバーカップを出し入れしてもなかなかうまくいかず、あきらめかけたときにようやく流れてくれました。

ひとまず解決してホッとしましたが、こんなに間を置かずにトイレ詰まりが起きるとなると、原因を究明する必要があります。

トイレの水流

Graphs / PIXTA(ピクスタ)

いつもお世話になっている工事業者さんに相談すると、こんな答えが。

「実は、リフォームの場合、トイレが新しくなったからといって詰まりが起きないかというと、そうじゃないんです。
水量が多くて勢いよく流れる古いトイレにくらべて、新しいトイレは節水仕様になっているので、古い配管に詰まってしまうこともあるんです。流れる水の量を増やしてあげれば解決するかもしれませんね」

そんなことがあるとは……なにはともあれ現場を見てみないとわからないということで、業者さんと一緒にお部屋を再訪しました。

まず、トイレのタンクのフタを開け、

トイレのタンクのフタを開け

中のカバーも外します。

中のカバーも外します

すると、タンクに水がたまっている様子がわかります。

タンクに水が貯まっている

業者さんによれば、真ん中に見える黒いチェーンの長さを調節することで、流れる水の量をコントロールできるそうなのです。

とりあえず、入居者さんとも相談して最大量の水が流れるように設定してもらいました。

この状態でしばらく様子を見てもらったところ、半年経った現在も詰まりは再発していません。

節水も大事ですが、詰まりが気になる方は流れる水の量を増やしてみることをオススメします。

 

3.便器を外してみると、意外なものが詰まりの原因に?

こうして事態は解決したのですが、当時は再発する可能性も想定し、業者さんにいろいろとヒアリングをしました。

ここからは、業者さんから聞いた事例をまじえて、「水量を増やしても解決しない場合」についてご説明しましょう。

次のステップとして考えられるのは、便器を取り外して原因を探るというやり方です。

ラバーカップでも届かない奥の場所に何かが詰まっている可能性があるということですね。

綿棒

masa / PIXTA(ピクスタ)

教えていただいたのは、こんなケースです。

同じ型のトイレがいくつかならんで設置されている会社のトイレで、なぜかひとつのトイレだけが頻繁に詰まるということがあったそうです。

一階のトイレで配管も下水に近く、詰まるような構造ではありません。

しかたなく便器を外してみたところ、排水管を横断するように綿棒が引っかかっており、そこに汚れがたまってしまっていたのです。

綿棒1本くらいなら、知らず知らずのうちに便器に落としてしまうのは十分にありえる話。

バリウム

秀太郎 / PIXTA(ピクスタ)

そういえば、うちのマンションでもこんなことがありました。

やはりトイレの流れが悪いという話を聞き、うかがってみると水が妙に白く濁っています。

原因は入居者の方が胃の検査で飲んだバリウム。排出されて固まったバリウムは流れづらく、便器の詰まりの原因になることが多いです。

ちなみに業者さんによれば、トイレに流せるお掃除シートなども大量に流せば詰まりの原因になるとのことですので、大掃除のときなどは要注意。

使用している側にあきらかに過失があるときは、業者を呼んだ費用などを自己負担せねばならない可能性もあります。

 

便器の先の配管に原因がある場合、事態は深刻

さて、場合によっては便器を外してもまだ詰まりの原因がわからないことがあるそうです。

そうなると、便器の先の配管のどこかで詰まりが起こっていることになります。これはかなり深刻な事態といえるでしょう。

排水管

SoutaBank / PIXTA(ピクスタ)

特に古いマンションなどでは塩ビ管ではなく鉄管が用いられている場合があり、経年による劣化とともに管内にサビが発生し、接続部などに汚れがたまってしまうこともあるとか。

配管をやり替えるとなると既存の床をはがしての大がかりな修理になるわけで、手間も費用も跳ね上がります。

工事の間、入居者のトイレ問題をどうするかも考えねばなりません。

想像しただけで頭が痛くなります。マンションを管理する大家としては、そんなことが起こらないことを祈るしかありませんが……。