家づくり

sumai編集部員

うまくいく二世帯住宅の建て方・暮らしの秘訣~建築家米倉拓生さんに聞きました

Q.二世帯の暮らしのルールはどのように決めたらいいのですか?

A.進行権をもつ者が強し。調整は建築家に任せて

二世帯住宅では、設計の段階から両世帯の関係性を読んでプランやルールを提案していきます。
やはり、資金の管理をしている人が計画の進行権をもっている場合が多いので、まずはその人の考えを取り入れ、他の家族の考えを調整します。

二世帯住宅

KY / PIXTA(ピクスタ)

キッチンを共有にするか否か、共有にするならば各世帯の使用時間帯から、あと片付けはどうするか、買い物はどうするか、ゴミ出しはどうするかといった問題があります。

家事の進め方は嫁姑で違いがあって当然で、そこをどう折り合うかが難しいところ。

うまくいきそうにないのならば、最初から別々にしておいたほうがいいかもしれません。
こうした細かなルール決めも、進行権をもっている人の意見が強くなります。

電気・ガス・水道のメーターを別々にするか、電話は一緒でいいか、インターホンはひとつでいいかなど、建ててからでは変更が困難なものは第三者の建築家が両者の間に入って調整します。

2世帯住宅暮らし方のルール

Q.バリアフリーのほかに高齢者に配慮する点は何かありますか?

A.以前の家の面影を残すなどの思いやりを

長年暮らした思い出深い家が壊されるのは両親にとってはつらいもの。
また昨今は人の寿命も延びていますから、そのまた両親、つまり子世帯にとっては祖父母と同居することも多くなってきました。

家づくりは一大事業でかつ長期にわたるものなので、両親や祖父母は建て替えの途中も心労が重なりやすく、また建て替えのあとには、体調を崩してしまうという話もよく聞きます。

このようなことが起こらないよう、両親、祖父母が新しい家に早くなじめる工夫をしたいもの。
例えば、庭木などは全部切らずに、愛着のあるものを数本残しておくとか、以前の家で近所の人が訪ねてきた動線をそのまま残すとか…、すべてを新しくせず、どこかに以前の家の面影を残しましょう。

庭木

Cotswolds / PIXTA(ピクスタ)

また、両親ともに健康で元気であれば、日当たりのいい2階を親世帯にするのはどうでしょうか。
日中家にいる時間が長いわけですから、気持ちよく1日を過ごすことができます。

都市部の密集地なら、なおのこと考えたいですね。

 

Q.二世帯の場合、登記はどのようになるのですか?

A.登記は、単独・共有・区分の3タイプあります

家を新築したり、所有したりしたときには、その家を登記する必要があります。
二世帯住宅の所有権登記の方法は、「単独登記」「共有登記」「区分登記」の3つがあり、建物のタイプによって選択肢が変わってきます。

2世帯住宅登記の内容と特徴

お互いの権利関係を明確にする部分なので十分に話し合って決める必要がありますが、資金を誰が用意したかによっても登記の方法が変わってきます。
下の表にまとめましたので確認してください。

同居型は「単独登記」か「共有登記」となり、一部共有型の場合も同じです。
違うのは完全分離型で、「単独」「共有」「区分」のすべてを選択することが可能です。

2世帯住宅建物の構造で違う登記の方法

区分登記にするには、それぞれの世帯が住居分の建築資金を出すことが条件となります。
区分登記ができると、別々の家とみなされるので、資金、税金面でメリットも生まれてくるのです。

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米倉拓生氏

米倉拓生氏
1954年東京都生まれ。
’76年東海大学建築学科卒業後、日正建設設計部、鳥内建築事務所を経て、’82年拓設計室を設立。
’97年「アトリエT+K」開設。

(取材・監修/米倉拓生 撮影/目黒伸宜)

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